3月18日に平成28年度(2016年度)の再エネ買取価格が正式に決定しました。
2月22日に発表された「調達価格等算定委員会」の案がそのまま採用されました。
太陽光発電の買取価格を中心にご紹介します。
非住宅用太陽光(10kW以上)
平成27年度 | 平成28年度 | |
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買取価格(税抜) | 27円/kWh | 24円/kWh |
住宅用太陽光(10kW未満)
平成27年度 | 平成28年度 | ||
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買取価格 | 出力制御対応機器 設置義務なし |
33円/kWh | 31円/kWh |
出力制御対応機器 設置義務あり |
35円/kWh | 33円/kWh |
太陽光発電は引き下げ、それ以外は据え置きに
太陽光発電の買取価格は4年連続で引き下げられましたが、太陽光発電以外は、平成27年度(2015年度)の買取価格・調達期間が据え置きとなりました。
非住宅用の太陽光発電の買取価格は1kWhあたり24円と、家庭向けの電気料金と同レベルになりました。
平成27年度に比べて3円/kWh下がったわけですが、システム費用(1kWあたり)が29.0万円から25.1万円へと、約4万円も下がったことが理由となります。
太陽光発電(10kW以上)の買取価格算出方法
標準的な建設費、運転維持費をもとに、一定の利益を上乗せした形で算出されます。
資本費 システム費用 土地造成費 接続費用 運転維持費 人件費、修繕費など 設備利用率 実際に発電した電力量の、その期間定格出力で休まず運転したと仮定したときに得られる電力量の比率。
年間の設備利用率(%)= 実際の年間の発電電力量(kWh)÷ 定格出力×365日×24時間 × 100IRR(税引前) 内部収益率 調達期間
システム費用は、これまで1,000kW以上の最新期の中央値が算定に用いられてきました。
制度が始まった平成24年度当初は、1,000kW以上の大規模な設備と、小規模な設備のコスト効率の差が大きかったのですが、毎年コスト低減が進み、10kW以上全体の費用の分布が、徐々に1,000kW以上の分布に近くなってきました。
そのため、1,000kW以上の中央値が10kW以上全体で見て、十分に効率的な費用水準といえるのか、議論がされました。
また、全般的に買取価格が低いほどシステム費用の水準が低くなる傾向が確認されています。例えば、10kW以上全体のシステム費用中央値を確認すると、 27円の適用を受けた案件は、 40円の適用を受けた 案件よりも約16% 低い費用水準となります。
算定にあたり収集された平成27年に設置された設備データの大半は、平成24年度認定案件(40円)、平成25年度認定案件(36円)となり、今後導入される平成27年度認定案件(27円)で想定されるシステム費用と比較して高い費用水準のデータ集計結果となっていると考えられました。
上記のようなことから、1,000kW以上の最新期の中央値ではなく、より効率的な想定値を採用するよう検討が進められ、10kW以上全体の上位15%値である25.1万円/kWが採用されました。
こうした厳しい算定は、10kW以上の太陽光発電設備の導入が急激に進み、太陽光偏重を是正したい政府の意向が背景にあり、今後も同様の方向性が続くものと思われます。
参考