太陽光発電を野立てでおこなう際に、パネルなどを支える役割を持つ「架台」。架台は設置後何年にもわたって発電機を支える重要なものです。そのため地盤や降雪量など環境に応じて適切なものを選ぶことが必要です。
架台を設置するための基礎工事にはいくつかの種類があります。ここではコンクリート基礎工事と杭打ち基礎工事の2種類を紹介します。

コンクリート基礎

コンクリート基礎工事とは型枠などを利用してコンクリートを打つ工法のことを指します。強度と耐久性が優れていますが、工期に時間がかかり、コストが高くつくなどが特徴です。
コンクリート基礎には、以下のような種類の工法があります。

布基礎

地面を掘り下げてできた空間にコンクリートを流し込むことで受け台にし、その上に型枠と鉄筋を設置して再びコンクリートを流し込むという工法で作る基礎を「布基礎」と呼びます。
基礎工事の中で最も多く採用されているもので、施工性が優れている、コストが安いなどが特徴です。

ベタ基礎

架台の重量をコンクリート基礎で支え、かかる重量を地面に対して均等に与えるという工法で作る基礎を「ベタ基礎」と呼びます。
布基礎が点と点で機器を支えるというのに対し、ベタ基礎は面で支えるものになります。
多少コストはかかりますが、型があればコンクリートを流し込むだけで施工できる、また重量が比較的容易に稼げるというメリットがあります。

置き基礎

コンクリートブロックを土台にした架台を、その名のとおり地面に置いて設置する工法が置き基礎工法です。架台の金属部分が地面に触れないため、架台の腐食などを回避することができます。しかし、地面に置いているだけなので安定性は優れているとは言えません。

杭打ち基礎

工期の短縮やコスト削減が可能になるのが杭打ち基礎工事です。地面に杭を打ち込み、そこに架台を設置するという仕組みになります。
いろいろな設置場所に対応できる工法になるため、山の斜面や、農地でソーラーシェアリングするのに向いているといえるでしょう。
ただ、コンクリート基礎と比べて強度が劣るというのがデメリットです。
杭打ち基礎には以下のような工法があります。

単管パイプ

最も金額を抑えることができる工法です。単管パイプを地面に差し込むことで架台を組み立てます。強度が最も弱く、見た目も弱々しく見えてしまうなどが特徴です。

グランドスクリュー

単管パイプと似ていますが、グランドスクリューと呼ばれるネジ付きのパイプを利用することで、強度を比較的高めることができます。専用の重機を利用して組み立てる必要がある、軟岩や地盤の緩い場所には設置しづらいなどのデメリットがあります。

ソーラーシェアリング基礎

農地にソーラーパネルなどを設置して営農と太陽光発電を同時におこなうソーラーシェアリング。ソーラーシェアリングは農地に影響を及ぼさないように設置する必要があるため、杭打ち式のソーラーシェアリング基礎を活用して架台を設置しなければなりません。

以上が太陽光発電をするための架台の大まかな種類です。地盤や周囲の環境によって適切な架台は変わってきます。施工の際はしっかりと調査し、専門家に相談するようにしましょう。

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