再生可能エネルギーの買取価格を算定するときに用いる「設備利用率」。「なんとなく分かるけど、具体的なことはわからない」という方が大勢いると思います。また、稼働率と混同しているという方も多いことでしょう。
いったい、「設備利用率」とは何のことなのでしょうか。
ここではあいまいになっていることが多い、「設備利用率」の概要や利用率の求め方などをご紹介します。

設備利用率とは

設備利用率というのは、発電設備の実際の発電量が仮にフル稼働していた際の発電量の何パーセントほどであるのかを示す数値です。この数値が高ければ高いほど、その設備を有効利用できているということになります。
火力発電所や原子力発電所などの、手動で起動、停止をさせる設備であれば、メンテナンスなどをおこなう時間が設備利用率に大きく影響を及ぼす要因になり、反対に、太陽光発電や風力・水力発電などのような自然現象で発電する設備である場合であれば、設備の設置されている環境が設備利用率に影響を与える要因になります。

設備利用率の計算方法

設備利用率は計算をして算出する必要があります。
設備利用率の計算方法は以下のとおりです。

総発電量(kWh)÷(経過時間×設備の出力(kW))×100

例えば、最大出力が9000kWの太陽光発電設備があったとして、1年間の実際の総発電量が1000万kWhであったとしましょう。その場合の設備発電量は以下のものになります。

1000万kWh÷(24時間×365日×9000kW)×100=約13パーセント

つまり、この太陽光発電設備はフル稼働した場合の発電量の13パーセントほどの電力しか発電していないということになります。

設備利用率は、日本の場合、経済産業省やNEDOなどが指標を示しています。現在のところ太陽光発電の設備利用率の指標が13パーセント、陸上風力発電が20パーセント、洋上風力発電が30パーセント、地熱発電が70パーセント、火力発電で80パーセントです。これらの指標はさまざまな発電データから算出されたものなので、それぞれの発電様式における設備利用率のおおよその目安とみることができます。

この指標を利用すれば、年間の総発電量の大体の数値を見積もることが可能です。たとえば、設備利用率の指標が13パーセントの太陽光発電で、最大出力1000kWの設備を利用するなら「24時間×365日×0.13×1000」で、113万8800kWということになります。1kWあたりの買取価格が42円であるとして計算すると、年間で4782万9600円の収入が得られるということがわかるなど、収入がいくらになるかの計算も可能になるのです。

設備利用率と稼働率の違いは?

設備利用率を、稼働率と混同している方が多くいると思います。確かに設備利用率も稼働率も、発電設備が実際「稼働」している率を示していますから、混同してしまうかもしれません。

しかし、設備利用率と稼働率とでは、何に対する数値であるのかという点で大きく違います。設備利用率は「発電量」に対する数値です。そのため具体的な発電量を算出するための計算で使うことができます。

反対に稼働率は、稼働していた「時間」だけに対する数値です。発電量の少ない雨の日も、発電量の多い快晴の日も、一日中稼働していたのだとしたら、発電量に関係なく稼働率は100パーセントとなります。
設備利用率は発電量の比率を示す数値、稼働率は稼働していた時間の比率を示す数値であると覚えましょう。

以上が設備利用率の概要と、計算方法、また稼働率との違いになります。あいまいになってしまうことになる設備利用率。この記事を参考にして、その概要を明確にしておいてください。