林地や農地などを利用し、営農と太陽光発電事業を同時におこなうことです。産業用太陽光発電制度が誕生したことによって可能になり、注目を集めています。
太陽光発電システムの開発が進み、作物の育成を妨げずに発電することが可能になりました。太陽光発電パネルを支柱で固定し、その下でこれまでどおり営農することが可能になったのです。

ソーラーシェアリングが認められるには

農地で発電事業をおこなうには、支柱を立てるための小さなスペースとは言え農地転用(一時転用)の許可が必要です。許可を得るためにはある一定の基準を満たさねばなりません。
以下がその基準になります。

  • 発電システムの設置により、営農に支障をきたさない。支柱は発電システムを支えることのみに利用すること
  • 発電システムを設置した農地で生産した作物の状況を年に1回報告すること
  • 営農継続が難しくなったときは、即座に改善策を講じること
  • 改善措置をとる場合や発電事業を廃止する場合には、すぐに報告すること
  • 営農が継続できない場合や、発電事業を廃止する場合には、すぐに支柱や発電設備を撤去し、農地利用が可能な状態に戻すこと

また、農地を一時転用する期間は原則として3年が上限となっています。ただし、太陽光発電は十数年継続して設営されるため、期間満了前に再申請すればソーラーシェアリングの継続が可能です。
営農がおこなわれない場合や、農地における単収が同年同地域の平均と比較して20パーセント以上減少している場合など、農地の一時転用が認められないこともありますので注意しましょう。

ソーラーシェアリングが持つ可能性

現在、太陽光発電に適した土地が見つけにくく、そのことが再生可能エネルギーの普及の妨げになっています。そこで農地を設置場所の候補に挙げましたが、農地転用して太陽光発電を進めると、農家の離農を促進することになり、食料自給率が低下するという問題が生まれるのです。また、農林漁村への太陽光発電設置の多くは都市部の発電事業者によるもので、収益が地元に落ちない課題もあります。

そのような課題に対し、農家自身がソーラーシェアリングを行うことで農家や地域に収益を還元することが可能です。
また農業のみでは気象などにより収穫量が左右されますが、ソーラーシェアリングをおこなうことで一定額の売電により収入の安定化が図れ、農業に専念できる環境づくりに役立ちます。

農地を一時転用することで、営農と発電事業を同時におこなうソーラーシェアリング。日本の抱える課題を解決するために、これから多く普及していくシステムになるでしょう。農地をお持ちで発電事業にも興味がある方は、ここで紹介したことを参考にしてソーラーシェアリングについても検討してみてください。

※本記事の情報は投稿した時点のものであり、閲覧されている時点で変更されている場合がございます。あらかじめご承知おきください。