台風被害イメージ
太陽光発電設備の近くにお住まいの方から、苦情が寄せられトラブルになるケースもあるといいます。
実際に事故にいたらなくとも、危険が及ぶのでは、と不安にさせているケースもあります。
具体的にどのような不安をお持ちなのか、また運転中の設備で実施できる保安や備えについて見ていきましょう。

近隣住民からの苦情例

国によるアンケ―ト結果によると、市町村などの自治体・消防本部が近隣住民からの通報(苦情)を受けた内容は以下のようになっています。

  • 太陽電池発電設備の破損や土砂流出等、地域住民に危険が及ぶことはないかといった不安
  • 排水対策ができておらず、降水時に接している道を伝って雨水が流出している
  • 景観が悪くなった、草刈り(放置)、工事中の騒音等の通報(苦情)あり。

設備の破損や土砂の流出など、台風や地震などの自然災害により起こりうる事故に対して、周辺にも危険が及ぶのでは、という不安があることが分かります。
出典:電気保安規制に係る見直しの方向性~保安力・小出力発電設備に係る規制の適正化~

事故は自然現象による破損が多い

2021年の4月より、小出力発電設備の事故報告が義務化されましたが、6ヶ月の間にすでに50件以上の事故が報告されています。

2021年4月~9月末までの太陽電池発電設備(10kW以上50kW未満)の事故件数
電気工作物の破損事故(他者への損害)※全て自然現象由来 13件
主要電気工作物の破損(自設備の破損)>設備不備 17件
主要電気工作物の破損(自設備の破損)>自然現象 28件

豪雨被害など、激甚化した災害のニュースも多く、発電事業者の方の不安はもちろん、立地や設置状況によっては住民の方が不安に思われても不思議ではありません。
実際の事故件数を見ても、自然現象による事故が多いことが分かります。
出典:電気保安規制に係る見直しの方向性~保安力・小出力発電設備に係る規制の適正化~

稼働中の発電設備でできること

1.保安・保守を安定的に継続する

まずは事故の予兆を早期に発見し、事故の防止、低減を目指すとりくみが大切。
高圧だけでなく低圧の設備にも必要な保守、保安が求められます。

保安業務を行う協力事業者や地元企業との連携による巡視点検を補完する、IoT・AIやドローン等の新たな技術を活かした保安の取り組みも考えられるでしょう。
例えば、ロボットやドローンの技術で遠隔地から検査を行うことや、センサーや通信機器などを設置し遠隔監視を行い、異常や予兆を検知するのに役立てる、といったことです。

こうした電気保安のスマート化(=スマート保安)は、電気保安業務の効率化、高度化が期待され、経産省の電気保安制度ワーキンググループでも議論されています。

太陽電池発電所の保安の将来像

出典:電気保安制度ワーキンググループ資料「電気保安分野 スマート保安アクションプランの概要」

手前味噌ですが エコめがね の遠隔監視もお役立てください。

2.賠償責任保険に加入する

保安業務をしっかり行っていても、予期せぬ自然災害に見舞われ、残念ながら事故が起き管理責任を問われる場合もあるかもしれません。実際に、上記の事故報告において「電気工作物の破損事故(他者への損害)」も報告されています。自然現象による事故を完璧に防ぐことは難しいものの、賠償責任保険に加入することにより、万が一近隣の方などが損害を被った場合に備えておくことは可能です。

そうしたことから、保険に加入することは、発電事業者の努力義務として事業計画策定ガイドラインでも明示されています。火災保険や地震保険も万が一の備えとして有効です。保険は地域の不安を解消するための手段としても、自身にとって安定した発電事業の実現にとっても役立ち、安心につながります。
この努力義務化に対応する保険について詳しくは、太陽光発電設備 廃棄費用&賠償責任保険~努力義務化対応~ をご覧ください。
※過去の記事「予期せぬ災害・事故への備え「保険」について考えてみましょう」に詳しく記載されています。

まとめ

近隣住民の方とトラブルは、道義的な意味合いだけではなく、手間やコストがかかることから発電事業にとって大きなリスクになりえるとも言えます。
今後の太陽光発電事業において「地域との共生」は一つの大きなポイントであり、安定的な発電事業のためには、地域の理解が必要不可欠になると言えるでしょう。
今回ご紹介したスマート保安や賠償責任保険なども参考に、トラブルを回避するための必要な対策についてのご検討をお勧めします。