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最近、新聞やテレビ「パリ協定」という言葉をよく目にしませんか。温暖化対策の取り決めを各国でなされたものという認識はお持ちでしょうが、いったい中身はどのようなものなのでしょうか。
今回は、「パリ協定」の内容について解説していきます。

パリ協定の内容

2015年12月12日、気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)が「パリ協定(Paris Agreement)」を採択しました。気候変動枠組条約の締結国は毎年、締結国会議を開催し温暖化対策に向けて国際的な取り決めを話し合っています。そうしたなか、1997年の京都議定書以来18年ぶりに合意した国際条約がパリ協定です。

パリ協定ではどのようなことが決まったのでしょうか。
まず世界の平均気温の上昇をヨーロッパの産業革命の時期から2度未満、可能であれば1.5度に抑えるということを国際社会共通で努力していくということです。これを達成するために今世紀後半に温室効果ガスの排出を実質ゼロにするという具体的な目標が立てられました。
参加国は5年ごとに見直しをする前提で「削減目標を立て国連に報告する」「温暖化被害への対策にも取り組む」という取り決めがなされました。
化石燃料に頼った現在の経済社会の在り方を転換し、温暖化ガスを排出しない社会にする決意表明でもあります。
また温暖化の悪影響は発展途上国をはじめ社会的弱者が大きく受けることから、こうした被害軽減を目指し各国で取り組んでいくという姿勢です。

日本の対応

日本はパリ協定の批准に間に合わず、今年11月7日から始まったCOP21のパリ協定締結国の第一回目の会議に正式メンバーとしての参加ができないことになりました。日本はCO2の排出が世界5位でありながら、温暖化対策のルール作りに主体的に関われないのが現状です。

日本国内での温暖化対策

2030年度までに2013年度比で温室効果ガスの排出を26%削減、さらには2050年には80%削減するという目標です。これは2030年の電源構成の比率にポイントがあります。化石燃料を使用してCO2を排出する発電を減らし、CO2を排出しない発電を多くすることがカギとなります。
CO2を排出しない発電の主力として考えられているものは原子力です。政府は原子力の比率を2030年には20~22%としています。原発の運用は原則40年ですが、現在の原発をすべて40年稼働しても、2030年には原子力の比率は14~15%にしかならない計算です。このため運用年数を延長することが含まれているものと考えられます。
しかし原発再稼働などの問題があり、目標達成には不透明な部分があるのです。

米大統領にトランプ氏の就任で脱退の可能性が

アメリカ次期大統領のトランプ氏はかねてから国連の温暖化対策に批判的であり、CO2削減は経済成長を阻むものであるとの主張をしています。パリ協定においても脱退する意思があるとして今後の行方に関心が持たれています。
アメリカが脱退することは先進国の足並みが揃わなくなり、条約の実効性を不安視するものになるでしょう。

日本は自然エネルギー大国であり、海洋風力発電やバイオマス発電を可能にする風土を持ち合わせています。高い技術力をもとにこれらの環境を上手く生かし自然エネルギーの比率を高めていくことが期待されます。
再生可能エネルギーを育てるためには電力網の強化、固定価格買い取り制度や電力自由化の促進などの社会制度の改善が必要になってくるでしょう。