風力発電

「再エネ由来の熱利用設備」と「自家消費を目的とした再エネ発電設備」を対象として、導入経費に対する補助事業「平成28年度 再生可能エネルギー事業者支援事業費補助金」の公募が始まりました。予算は約33.5億円です。
「地域の再エネ利用の拡大」や「安定的かつ適切なエネルギー需給構造の構築」を目的として、導入経費の1/3を上限に補助されます。
再生可能エネルギー事業者支援事業費補助金の対象や要件、申請についてご紹介します。

補助の対象となる事業者は?

再生可能エネルギー利用設備※1を導入する民間企業及び青色申告を行っている個人事業主の方が対象です。
※1 固定価格買取制度(FIT制度)において設備認定を受けない設備が対象となります。

補助の対象となる設備は?

熱利用設備

再生可能エネルギー由来の熱を有効利用する熱利用設備を導入する事業者(民間事業者)が対象です。

  • 太陽熱利用
  • 温度差エネルギー利用
  • 雪氷熱利用
  • 地中熱利用
  • バイオマス熱利用
  • バイオマス燃料製造

再生可能エネルギー由来の熱を有効利用する熱利用設備

発電設備

自家消費を目的とした再生可能エネルギー発電設備を導入する事業者(民間事業者)が対象です。
固定価格買取制度(FIT制度)において設備認定を受けないことが条件となります。

  • 太陽光発電
  • 風力発電
  • 地熱発電
  • 中小水力発電
  • バイオマス発電
  • 蓄電池 *発電設備と併せて設置する場合のみ補助対象となります。

自家消費を目的とした再生可能エネルギー発電設備

熱利用設備の補助対象となる要件は?

補助対象となるかどうかの熱利用設備の要件は、
熱を利用する区域・用途に占める再生熱の割合(再エネ率※2)が10%以上、または再生熱の年間総発熱量が200GJ以上
となっています。

※2 再エネ率とは、再生熱を利用する区域・用途で必要とされる年間熱量のうち、再生熱利用設備から当該区域・用途に供給される年間総発熱量のパーセンテージです。
再エネ率

熱の種類ごとにさらに要件がありますので、以下に紹介します。

太陽熱利用

太陽熱利用
集熱器によって集めた太陽熱を、給湯や暖房に利用するシステムなど。
要件:集熱器総面積 10m²以上

温度差エネルギー利用

温度差エネルギー利用
海水、河川水、下水等の水温と、外気との温度差を利用して、冷暖房などに利用するシステム。
要件:熱供給能力 0.10GJ/h(24Mcal/h) 以上

雪氷熱利用

雪氷熱利用
冬期に雪や外気で凍らせた氷(冷凍機を用いて生産したものを除く)を保管し、冷熱が必要な時期に利用するもの。雪室、氷室、雪冷房、雪冷蔵システムなど。
要件:冷気・冷水の流量を調節する機能を有する雪室・氷室に限る。

地中熱利用

地中熱利用
季節に関わらずほぼ一定となる地中の温度を、冷暖房や給湯、融雪などに利用するシステム。
要件:

  1. 暖気・冷気、温水・冷水、不凍液の流量を調節する機能を有する設備に限ります。
  2. ヒートポンプを設置する場合、熱供給能力10kW以上(連結方式の場合は、設備全体の合算値)

発電設備の補助対象となる要件は?

補助対象となるかどうかの発電設備の要件は、
再生可能エネルギー発電設備の年間発電量が、ひとつの需要先の年間消費電力量※3の範囲内であること
となっています。
※3 年間消費電力量は、電気事業者との1需給契約の施設の消費電力量。
1需給契約でない複数施設で申請する場合は、需給契約ごとに申請することが必要になります。

繰り返しになりますが、固定価格買取制度(FIT制度)との併用はできません。自家消費型発電システムが対象です。

発電の種類ごとにさらに要件がありますので、以下に紹介します。

太陽光発電

太陽光発電
太陽電池出力 10kW以上
出力は「太陽電池モジュールの公称最大出力の合計値」と「パワーコンディショナの定格出力合計値」の低い方で、kW単位の小数点以下を切捨てたもの。

風力発電

風力発電
発電出力 10kW以上(単機出力1kW以上)

バイオマス発電

バイオマス発電
  1. バイオマス依存率※4 60%以上
  2. 発電出力 10kW以上

*バイオマスコージェネレーション(熱電併給)を含みます。
*離島地域及びへき地※5は、2.の要件なし
*副燃料として化石燃料(石油、石炭等)を常時使用することを前提とするものは対象となりません。

※4 バイオマス依存率は、発熱量の総和のうち、バイオマス(燃料または原料)の発熱量の総和のパーセンテージです。
バイオマス依存率

※5 離島地域及びへき地
離島地域については、離島振興法、沖縄振興特別措置法、奄美群島振興開発特別措置法、小笠原諸島振興開発特別措置法で規定する地域。参考:Wikipedia

へき地については、過疎地域自立促進特別措置法で規定する地域。参考:総務省 過疎地域市町村等一覧 

水力発電

水力発電
発電出力 10kW以上1,000kW以下(単機出力1kW以上)

発電出力の計算式
水力発電の発電出力の計算式

地熱発電

地熱発電
特になし

蓄電池

蓄電池
再生可能エネルギー発電設備を導入する場合に限る
導入する再生可能エネルギー発電設備の出力の同等以下

*再生可能エネルギー発電設備を複数導入する場合、出力はそれらの合計。
*系統電力を蓄電するシステムは認められません。

複数の再エネ発電を組み合わせて設置する場合

太陽光、風力、バイオマス、水力、地熱の発電設備を組み合わせて設置する際は、以下の要件となります。
再生可能エネルギー発電設備の出力合計 10kW以上
*但し、太陽光発電は太陽電池出力1kW以上であること

補助の対象となる経費は?

  • 設計費
  • 設備費
    以下は対象外
    土地の取得及び賃借料(リース代)、建屋、蓄熱層(砂利、砕砂、砕石等)、ガスボイラ等の補助熱源、中古品の導入、予備品
  • 工事費
    以下は対象外
    建屋、既設構築物等の撤去費、植栽および外構工事費

補助率、補助金上限額はいくら?

補助率

補助対象経費の合計額の1/3以内
*執行団体である一般社団法人環境共創イニシアチブ(以下SII)が認める、民間事業者が地方公共団体から指定・認定を受け、かつ先導的な事業の場合、補助対象経費の合計額の2/3以内を補助する場合があります。
*太陽光発電設備の場合、補助対象経費の合計額の1/3以内と、10万円/kWのいずれか低い額となります。

補助金上限額

再生可能エネルギー熱利用設備を導入する場合
3億円/年度
再生可能エネルギー発電設備及び蓄電池を導入する場合
1億円/年度

*予算額を超える申請があった場合等には、採択された場合でも申請された補助金額が減額される場合があります。

設備をリースで導入する場合は?

熱利用設備や発電設備はリースで導入して、自社で熱や電気を利用する、といったこともあるでしょう。
こうしたケースでは「設備使用者」と「設備所有者であるリース事業者」で「共同申請」することが可能です。

申請期間

平成28年4月28日(木)~平成28年9月9日(金) 17:00 必着

*補助対象経費に係る発注は、交付決定日以降に実施することが必要です。
*各締切時点で予算額を超える申請があった場合は、SIIのホームページにて公表されます。
その際の申請の取扱についても、SIIのホームページでご確認ください。

申請に関してはご紹介した以外にも様々な注意点がありますので、詳細は執行団体である SII 一般社団法人 環境共創イニシアチブにご確認ください。

参考
平成28年度 再生可能エネルギー事業者支援事業費補助金 | SII 一般社団法人 環境共創イニシアチブ

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