2017年4月1日から施行される改正FIT法では「発電設備を適切に保守点検・維持管理する体制の整備・実施」が認定基準に加えられます※。
具体的にどういった保守点検が求められるかなどはまだ明らかになっていないものの、太陽光発電設備のO&Mに注目が集まっています。
そんななか、太陽光発電O&Mの認証制度「JET PV O&M認証」が始まりました。
パネル変更以外にもいろいろ。改正FITのまとめをご覧ください。
JET PV O&M認証とは?
電気安全環境研究所(Japan Electrical Safety & Environment Technology Laboratories、略称JET)が太陽光発電システムの保守点検を認証するものです。
正式には「JET太陽光発電システム保守点検認証」といいます。
太陽光発電システム監視・点検技術に関する調査検討会においてとりまとめられた「太陽光発電システムの定期点検及び不具合調査に関するガイドラインについての報告書」で示されたガイドラインがベースにあり、これに適合する保守点検報告書に対して認証が行われます。
この認証制度で登録・認証された事業者、技術者、報告書にはJETの認証マークを使用することができます。
対象となる太陽光発電設備
- 直流1,500V以下の非住宅用の太陽光発電システムであること
- 50kW以上の太陽光発電システムであること
上記の2点に合致する設備に関し、
- 太陽光発電システムを構成する太陽電池モジュール・アレイ
- 接続箱
- 集電箱
- パワーコンディショナ(PCS)
までの直流電気回路、およびサイト環境が対象となります。
どのような報告書が認証を受けられるのか?
保守点検業者(要認証)に属する保守点検技術者(要認証)が作成した報告書をJETが確認し、認証書を交付します。
登録・認証要件
- JETに認証を受けた保守点検業者に所属する、認証を受けた保守点検技術者が、JETが確認した測定機器を使用して作成する作業報告書であること
- ガイドラインに記載される事項について報告がなされていること
上記2点の要件を満たすことが必要です。
保守点検技術者が作成した報告書が必ず認証されるわけではなく、その都度申込みが必要で、個別に認証が行われます。
また、登録を受ける前に行った保守点検の報告書は認証されません。
手数料
1件につき200,000円。ただし同一サイトの定期点検報告書の場合、2回目以降は半額。
保守点検業者として認証を受けるには?
正式には「JET太陽光発電システム保守点検認証事業登録保守点検業者」といいます。
以下の要件をすべて満たすことが必要です。
登録・認証要件
- 3年以上のPV関連業務及び5件以上のO&M実績、または 10件以上のPVシステム設計実績、あるいはこれと同等の実績を有すること
- ISO9001かこれと同等以上のQMSを有すること
- 建設業法の許可である一般電気工事業以上を取得していること
- ガイドラインを満足する下記の保守点検技術者を1名以上有すること
- 保守点検に使用する測定機器として、
5-1.太陽光発電システムの保守点検を行う会社の所有であること、または貸与されたものであることを文書で示すこと
5-2. ガイドラインに記載される仕様を満たすこと
5-3. 国家機関とのトレーサビリティがある校正が行われていること
また、事業者の確認を行うときには、書類の確認だけでなく、立ち入り調査が行われます。
有効期間
保守点検業者登録の有効期間は3年です。
手数料
保守点検業者として登録するには「登録料」が、継続して登録されるには「登録維持料」「登録更新料」が必要です。
登録の種類 | 手数料 |
---|---|
1) 初年度登録料 | 2,000,000円 |
2) 2年目登録維持手数料 | 400,000円 |
3) 3年目登録維持手数料 | 400,000円 |
4) 4年目登録更新料 ①報告書認証件数が3年平均で、6件未満の場合 ②報告書認証件数が3年平均で、6〜10件の場合 ③報告書認証件数が3年平均で、10件を上回る場合 |
1,500,000円 1,000,000円 500,000円 |
5) 5年目登録維持手数料 | |
6) 6年目登録維持手数料 | |
以降4) 5) 6) の繰り返し |
登録時には立ち入り調査が行われますが、立ち入り調査料が別途必要です。
保守点検技術者として認証を受けるには?
正式には「JET太陽光発電システム保守点検認証事業登録保守点検技術者」といいます。
以下の要件をすべて満たすことが必要です。
- 上記の登録された保守点検業者に所属していること
- 3年以上のPV関連業務の実績があること、またはこれと同等の実績を有すること
- JETが実施する保守点検研修を受講し、修了していること。 また、3年毎に更新研修を受講し、修了すること。
有効期間
保守点検技術者登録の有効期間は3年です。
手数料
保守点検技術者として登録するには「登録料」が、継続して登録されるには「登録更新料」が必要です。
登録の種類 | 手数料 |
---|---|
初年度登録料 | 100,000円 |
登録更新料(3年毎) | 30,000円 |
参考:
JET太陽光発電システム保守点検認証(JET PV O&M認証)| 一般財団法人 電気安全環境研究所