2018年3月23日に、平成30年度(2018年度)の再生可能エネルギー買取価格が決定されました。
昨年12月に調達価格等算定委員会で取りまとめられた「平成30年度以降の調達価格等に関する意見」の通りの買取価格となりました。
太陽光発電の買取価格について紹介します。
10kW未満
調達区分 | 1kWあたり調達価格 | 調達期間 | ||
【参考】2017年度 | 2018年度 | |||
10kW未満 | 出力制御対応機器 設置義務なし |
28円→ | 26円 | 10年間 |
出力制御対応機器 設置義務あり |
30円→ | 28円 | 10年間 | |
10kW未満 (ダブル発電) |
出力制御対応機器 設置義務なし |
25円→ | 25円 | 10年間 |
出力制御対応機器 設置義務あり |
27円→ | 27円 | 10年間 |
10kW未満の調達価格算定の内訳
出力制御対応機器 設置義務なし |
出力制御対応機器 設置義務あり |
|
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システム費用 | 30.8 万円/kW | 31.8万円/kW |
運転維持費 | 3,000 円/kW/年 | 3,000 円/kW/年 |
設備利用率 | 13.7% | 13.7% |
余剰売電比率 | 70% | 70% |
出力制御ユニットの設置義務による金額の違い
東京・中部・関西以外の電力会社では、出力制御対応機器の設置義務があり、システム費用が余分にかかるため買取価格にも差がつけられています。
しかし2017年に設置された報告データによると、出力制御対応機器の設置義務のない案件の費用が、設置義務のある案件の費用を上回るという不思議な結果が出ており、今後の動向を注視する必要があるとのこと。
ダブル発電とシングル発電の金額の違い
ダブル発電(太陽光発電設備と自家発電設備池などとの併用)の場合、押し上げ効果があることを考慮し、シングル発電と比較して買取価格が安くなっています。
しかし年々買取価格が下がっていて、徐々に家庭用電気料金に近づいてきているため、シングル発電とダブル発電の収益差は小さくなってきています。
そのため平成30年度は平成29年度の買取価格が据え置かれました。
「買取価格を家庭用電気料金並みに」という価格目標が達成されたら、ダブル発電とシングル発電の区分はなくなり、同じ買取価格になる予定です。
※ダブル発電はなぜ買取価格が違うのかについて詳しくは、「ダブル発電」の買取単価が安いのはなぜ? の記事で解説していますのでご参考になさってください。
10kW以上2,000kW未満
調達区分 | 1kWあたり調達価格 | 調達期間 | |
【参考】2017年度 | 2018年度 | ||
10kW以上 | 21円→ | 18円 | 20年間 |
10kW以上2,000kW未満の調達価格算定の内訳
資本費 | システム費用 | 22.1万円/kW |
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土地造成費 | 0.4万円/kW | |
接続費用 | 1.35万円/kW | |
運転維持費 | 0.5万円/kW/年 | |
設備利用率 | 17.1% | |
IRR(税引前) | 5% |
設備利用率が上昇
設備利用率を想定して買取価格が算出されているのですが、発電効率の向上などにより年々上昇してきました。
平成25年度 | 12% |
平成26年度 | 13% |
平成27年度 | 14% |
平成28年度 | 14% |
平成29年度 | 15.1% |
平成30年度 | 17.1% |
2018年度は2ポイント上昇し、これまで以上に大きく設備利用率が上昇しました。これは太陽光発電パネルの価格が低下したことによる過積載が進んできた影響が大きいです。
設備利用率が17.1%というのは、容量1kWあたり年間1,500kWh程度発電する想定といえます。
参考までにエコめがねをお使いの設備の2017年の平均をご紹介しますと、1kWあたりの発電量は1,400kWhほとどなります。
エコめがねを導入している設備は、2011年や2012年に運転開始した設備も多く含まれていますので、過積載の割合も低いと想定され、(発電効率の向上もあると思いますが)100kWh/kW/年の差が出ていると思われます。
これからの買取価格は過積載を前提に算定されていると言えるでしょう。
2.000kW以上
2017年度より入札制に移行しています。
2018年度は入札が2回(上期・下期で1回ずつ)実施されます。
入札スケジュールの早期確定・公表を要望する声が多かったことを受け、スケジュールが決められ公表されています。
上期 | 下期 | |
4月 | ||
5月 | 事業計画受付〆切(5/31) | |
6月 | ||
7月 | 事業計画審査〆切(7/27) | |
8月 | 入札募集開始(8/10) 入札募集〆切(8/24) |
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9月 | 入札結果公表(9/4) | 事業計画受付〆切(9/10) |
10月 | ||
11月 | 事業計画受付〆切(11/9) 入札募集開始(11/22) |
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12月 | 入札募集〆切(12/7) 入札結果公表(12/18) |
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1月 | ||
2月 | ||
3月 | 落札案件の認定申請補正期限(3/1) 認定取得期限(3/29) |
参考:
平成30年度以降の調達価格等に関する意見 | 調達価格等算定委員会