自家消費太陽光の提案に、
「どれくらい購入電力量が減らせるか」「電気代の削減額はいくら位になるか」
といった具体的な効果を詳細にシミュレーションしてお出しすると需要家さまも検討しやすいと思われますが、それには「30分デマンド値」など詳細な消費電力データを取り寄せる必要があります。
基本的に需要家さまに入手いただく必要があり、手間もかかりますが、そもそもなぜこのデータが必要なのでしょうか。
この必要性について解説します。
自家消費太陽光とFIT売電太陽光の目的の違い
自家消費というのは、敷地内の太陽光発電による電力を、敷地内で使うこと。
FIT売電価格は低下し、
売電価格 < 購入電気価格
の状況です。そのため売電よりも購入電力を減らすことが大きなメリットとなりました。
使いきれない電力を売電するのはありえますが、あくまでもメインは自家消費のための発電をするのが得策でしょう。
FITを活用する際は「なるべくたくさんのパネルを設置する」方向で考えていましたが、それは自家消費の太陽光を設置する目的には沿いません。
2021年度FIT売電単価
- 10kW以上50kW未満:12円/kWh(税抜)(自家消費型のみ)
- 50kW以上250kW未満:11円/kWh(税抜)
- 250kW以上:入札により決定
東京電力 高圧(業務用電力 500kW未満力)の電気料金単価
(2021年度7月時点)
基本料金:1,716.00円/kW
電力量料金:夏季17.54円/kWh + 再エネ賦課金3.36円/kWh
その他季16.38円/kWh + 再エネ賦課金3.36円/kWh
自家消費太陽光は「いかに自家消費できるか」
太陽光の発電できる時間帯は日中に限られます。
電力消費は時間とともに移り変わります。
消費のグラフと発電のグラフが重なる部分の多さが大切。
消費の傾向は十社十色
電力消費のグラフと一口にいっても、
- 月の消費電力量が同じでも、需要家により電気を使う時間帯や曜日は違う
- 同じ需要家でも季節によって電力消費の傾向は異なる
など、電力消費の傾向はさまざまです。
例えば
月の電力使用量が10,000kWh需要家であっても、
週休1日(稼働日26日)
週休2日(稼働日22日)
で、1日の消費電力量が変わります。
さらに電気を使う時間帯は需要家により異なります。
営業時間や操業時間の違いにより、
朝夕の使用量が多い
昼間の使用量が多い
などの違いが出てくるでしょう。
消費傾向に適した提案をするために
「なるべく多く自家消費」を実現するためには、まずはどのように電力消費されているのかを知った上で、消費傾向にあうシステムを設計しなければなりません。
1年分の30分デマンド値があれば、季節や曜日、時間帯による消費傾向がわかり、最適なシステムを導き出す詳細なシミュレーションが可能になります。
そのため、手間をかけても30分デマンド値が必要ということになります。