太陽光パネルを設置する方法には、屋根置き型と屋根一体型の2種類があります。
ここでは、太陽光パネルを設置する際はどちらの方法を選んだ方が良いのか、メリットデメリットをご紹介します。
据え置き型と屋根一体型
太陽光パネルの設置方法には、屋根の上に乗せる「屋根置き型」と「屋根一体型(建材一体型)」の2つがあります。
屋根置き型は、屋根材の上に架台を設置してその上に太陽光パネルを設置するものです。屋根が水平(陸屋根)の場合は、架台で傾斜を作って太陽光パネルを設置します。
一方屋根一体型とは、屋根材の中に太陽電池セル(※1)を組み込んだ、屋根自体が太陽光パネルになっているものです。屋根置き型と比べ、外観を損なわずきれいに太陽光パネルを設置することができます。
※1 セルとは、太陽光電池の構成単位の1つで、電池素子のこと。セルを複数枚配列し、樹脂やガラスで保護したものをモジュール・太陽電池パネル・太陽光パネルなどと呼びます。
屋根置き型のメリットとデメリット
屋根置き型は、屋根材と太陽光パネルとの間に空間があるために熱が逃げやすくなっています。太陽光パネルは高温になると変換効率の低下が起きるため、このリスクを軽減し効率よく発電することができます。
また、設置しやすくメンテナンスしやすいというのも屋根置き型の大きなメリットです。設置にかかる費用が屋根一体型と比較して低コストで済みます。太陽光パネルに異常が発生した場合、太陽電池モジュールを1つ1つチェックすることになります。このとき架台に設置されていることで、取り外ししやすくなるのです。
屋根置き型のデメリットには、雨漏りする危険性があるということ。屋根の構造によっては屋根材に穴をあけて、固定金具を取り付けてから設置するため、穴を埋める充填剤(コーキング)が劣化することで雨漏りする場合があります。
屋根一体型のメリットとデメリット
屋根一体型は、デザイン性に優れ外観が良いというメリットがあります。屋根置き型のように、太陽パネルが目立つことはなく、違和感のない屋根になります。また、パネルを取り付ける架台が必要なくなるため、屋根への負担がなく雨漏りのリスクがありません。
屋根一体型は、屋根そのものの工事が終了した時点で太陽光発電システムの設置も終了します。このため、工事期間が短借されます。
しかし屋根一体型は、熱を逃がす隙間がなく熱がこもりやすいため注意が必要です。熱がこもると発電効率が下がってしまいます。
また、配線経路が多くなるため、接点に不具合が置きて太陽電池セルが故障する恐れが高くなるという点もデメリットとなります。故障した場合、取り外しが難しいためにメンテナンスに時間と費用がかかるでしょう。
さらに、太陽光パネルに不具合がなくても、屋根材として防水機能が劣化した場合は、屋根の修理も必要になるため注意が必要です。
デメリットを克服した屋根一体型
屋根一体型は熱がこもりやすいというデメリットがありましたが、最近では空気が自然換気するのを利用した空冷式の太陽光パネルが出始めています。
他にも、設置の際に使用するビスが雨に濡れないような工夫をして防水性能を高めることで、傾斜の少ない屋根でも設置することが可能になっているようです。
太陽光パネルの設置方法それぞれにメリット・デメリットがあります。
どちらが優れているということではなく、住宅のある環境や、ご自身の希望を踏まえた上で、じっくりと検討することをおすすめします。