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農業は、気候変動や異常気象など、人間の力でどうしようもできないリスクがある中で営まれている上、燃料価格の高騰などの影響も受けやすくなっています。

食料を安定して生産・供給するために、外部リスクによる影響を受けにくい産地の確立などを目指す補助事業として「産地リスク軽減技術総合対策事業」が農林水産省にて実施されます。

平成28年度の公募が始まりましたので、産地リスク軽減技術総合対策事業のうち、再エネに関連する「省エネ体系確立支援事業」についてご紹介します。

補助額、補助率

補助率:対象となる事業の1/2以内
補助額上限:1地区あたり233万円

どのような事業が補助されるのか?

以下の成果(いずれか1つ)を、事業実施の翌年度にあげることを目標に掲げる事業。

  1. 省エネ技術の導入により、電気使用量を10%以上削減。なお、電気以外のエネルギーを併用する場合は、その使用量が増加しないよう努めること。
  2. 電気使用量を生産量で除した数値を原単位とし、その10%を削減すること。

また、以下の基準に沿っていることが必要です。

  1. 事業実施計画の内容が省エネ体系確立支援事業の成果目標に沿っていること。
  2. 事業実施主体が事業全体及び会計手続を適正に行い得る体制を有していること。
  3. 事業費のうち事業実施主体の負担分について、適正な資金調達・償還計画及び維持管理計画が策定されており、かつ、その計画が確実に実行されると見込まれること。
  4. 取組の内容が、事業実施主体の生産規模等からみて適正であり、かつ、過大ではないこと。
  5. 事業実施にあたって、事業実施主体は、適正なデータの取得が可能な体制を保持していること。

補助対象事業の詳細

省エネ体系確立に向けて行う、以下の事業が対象となります。

  1. 省エネ技術導入検討会の開催
    事業実施主体は、次の省エネ技術の中から、最適な技術について導入の検討を行うものとする。
    (1)局所加温等省エネ技術
    (2)日没後(EOD)加温処理や変夜温管理を利用した省エネ技術
    (3)太陽光や蓄熱を利用した省エネ技術
    (4)スマートメーターを利用した省エネ技術
    (5)その他の電力使用量削減に資する技術
  2. 現地検討会の開催
    事業実施主体は、事業の進捗状況や効果の把握のため、現地検討会を開催するものとする。
  3. 現地ほ場等試験の実施
    事業実施主体は、省エネ技術を実証するため、現地ほ場を設置するものとする。
  4. 省エネ技術導入効果の検証
    事業実施主体は、省エネ技術を導入した現地ほ場におけるその効果等について検証するものとする。
  5. 調査報告書の作成
    事業実施主体は、4で検証した結果について、調査報告書として取りまとめるものとする。

補助対象事業の実施主体

農業者の協力を受けた事業の実施体制が確保されている、以下の1、2、3のいずれかが対象です。

  1. 協議会(生産局長が別に定める要件を満たすものに限る。)
    (1)生産者又は生産者団体、電気設備製造又は販売事業者、学識経験者、都道府県の試験研究機関や普及組織等のうち、事業成果の効果的な普及が行える関係者から構成されていること。
    (2)事業実施及び会計手続きを適正に行い得る体制を有していること。
    (3)代表者の定めがあり、かつ組織及び運営についての規約の定めがあること。
  2. 農業者団体
    農業協同組合その他の農業者(3戸以上の農業者で構成されるもの)等の組織する団体を指します。
    協議会と同様に、
    ・事業実施及び会計手続きを適正に行い得る体制を有していること。
    ・代表者の定めがあり、かつ組織及び運営についての規約の定めがあること。
    が必要です。
  3. 民間企業、特定非営利活動法人、一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人及び公益財団法人

補助金交付の選定はどのようにされるのか?

応募書類による書類確認、事前審査のあと、選定委員会による審査が行われます。
以下の審査基準に基づいてポイント付けが行われ、ポイントの高い順に優先順位が決められます。

事業の重要性・新規性・モデル性等
事業の対象となる技術に重要性・新規性があるか。
事業実施計画の妥当性
成果目標の水準は妥当か、など
事業費の算定
効率的な事業費の算定がなされているか。
事業実施体制の妥当性
事業を行う上で適正な事業実施体制となっているか。
事業成果の普及性
事業成果の普及性が高いか。多くの地域で実施が可能かどうか。
交付決定取消の原因となる行為
過去3年間に交付決定の取り消しとなる行為はないか。

詳細:産地リスク軽減技術総合対策事業のうち省エネ体系確立支援事業審査基準(PDF)

申請書類の提出期限と提出先

平成28年2月29日(月曜日)午後5時00分必着

生産局や農政局など、所定の提出先への提出となります。
※郵送又は宅配便(バイク便を含む。)による提出。
やむを得ない場合には持参も可、ファクシミリ又は電子メールによる提出は不可となります。

参考:

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