新しく設備投資を行う中小企業を支援する、生産性向上特別措置法の支援。
固定資産税が3年間ゼロまたは1/2という大きな軽減があるため多くの企業が利用しています。
新型コロナウイルス感染症の影響で経済の低迷が懸念されるなか支援を広げるため、対象となる設備を拡大し、2年間延長されました。
太陽光発電設備も対象となる可能性が高く、自社建物の新築などを計画されている企業さまに特に注目いただきたい施策です。

生産性向上特別措置法による支援とは?

「生産性向上特別措置法」に基づいて、中小企業の設備投資を支援をするものです。
支援内容は

  • 中小企業・小規模事業者等が
  • 生産性を高めるために先端設備等を取得する場合、
  • 新たに導入する設備が所在する市区町村における「導入促進基本計画」等に合致すれば認定を受けられ、
  • 対象設備の固定資産税が3年間ゼロ~1/2の間で市区町村の定める割合に軽減される

というもの。

2020年度末までを「生産性革命・集中投資期間」として、集中的に支援する計画でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも新たに設備投資を行う中小事業者等を支援する観点から、適用対象が拡充され、期間も2年間延長されました。

対象となる企業は?

固定資産税の特例を受けられるのは、

  • 資本金額1億円以下の法人、従業員数1,000人以下の個人事業主等
  • 先端設備等導入計画の認定を受けた者
  • 大企業の子会社等を除く

いずれも満たす法人、個人事業主となります。
先端設備等導入計画については、後ほどご説明します。

支援を受けられる「先端設備等導入計画」とは?

主な要件は以下のとおり。

主な要件 内容
計画期間 3年間、4年間又は5年間
労働生産性 計画期間において、基準年度*比で労働生産性が年平均3%以上 向上すること
*直近の事業年度末
先端設備等の種類 労働生産性の向上に必要な生産、販売活動等の用に直接供される下記設備
【減価償却資産の種類】
機械装置、測定工具及び検査工具、器具備品、建物附属設備、ソフトウエア、事業用家屋、構築物
計画内容
  • 導入促進指針及び導入促進基本計画※に適合するものであること
  • 先端設備等の導入が円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること
  • 認定経営革新等支援機関(商工会議所、商工会等)において事前確認を行った計画であること

経営革新等支援機関による確認の確認が必要

「この計画で労働生産性が年平均3%以上向上するか?」は自社の判断だけではなく「経営革新等支援機関」による確認が必要です。
事前に確認を依頼し、「事前確認依頼書」の発行を受けた上で市区町村へ申請することになります。

経営革新等支援機関とは?

商工会議所や商工会、地域金融機関、士業などの専門家などが「経営革新等支援機関」として認定されています。
2020年7月時点で、全国で35,000以上の機関があります。

中小企業庁のウェブサイトで金融機関以外の認定経営革新等支援機関を検索できます。
金融庁のウェブサイトで金融機関の認定経営革新等支援機関を探せます。

支援を受けられる「先端設備」とは?

生産性向上に資する指標が旧モデル比で年平均1%以上向上する下記の設備です。

  • 機械装置(160万円以上/10年以内)
  • 測定工具及び検査工具(30万円以上/5年以内)
  • 器具備品(30万円以上/6年以内)
  • 建物附属設備(60万円以上/14年以内)
  • 構築物(120万円以上/14年以内)【2020年5月追加】
  • 事業用家屋(取得価額の合計額が300万円以上の先端設備等とともに導入されたもの)【2020年5月追加】

※(最低取得価格/販売開始時期)

具体的な設備の種類は市区町村ごとの「導入促進基本計画」により異なりますので、確認が必要です。

生産性向上についての証明・確認が必要

要件を満たす設備であることを証明する必要があるため、工業会による証明書を計画とともに提出する必要があります。

  1. 設備メーカーに証明書発行を依頼し、
  2. 設備メーカーを通じて工業会等から生産性向上要件を満たす設備であることの証明書を取得

してください。

固定資産税の特例を利用するためには、工業会証明書は必須ですが、もし工業会証明書が申請までに間に合わない場合にも、誓約書及び工業会証明書を追加提出することで特例を受けることが可能とのことです。くわしくは「先端設備等導入計画策定の手引き」の8ページをご確認ください。

参考:
工業会等による証明書について(中小企業等経営強化法の経営力向上設備等及び生産性向上特別措置法の先端設備等に係る生産性向上要件証明書) | 中小企業庁

太陽光発電は対象になるのか?

対象設備は市区町村ごとに定められるため、それぞれ確認するしかありませんが、「屋根上の太陽光発電」や「自家消費型の太陽光発電」などの条件では対象となる市区町村が多いようです。
所在する「自治体名+生産性向上特別措置法」などで検索のうえ、自治体の担当部署に確認してください。

2020年に追加、延長された内容

  • 事業用家屋(取得価額の合計額が300万円以上の先端設備等とともに導入されたもの)
  • 構造物(旧モデル比で生産性が年平均1%以上向上するもの)

が対象に追加されました。

また期限は2020年度末(2021年3月末)から、2022年度末(2023年3月末)に延長されました。

ということは、所在する市区町村によりますが、
新しく事業用家屋を建設する際に300万円以上の自家消費型の太陽光発電を一緒に導入すれば、事業用家屋や太陽光発電設備の固定資産税は3年間はゼロ(または1/2)となるということですね。

建物の規模によっては、固定資産税の軽減分で太陽光発電導入のコストが賄える、ということも十分ありえます。
立地条件によりますが、自家消費型太陽光発電の導入促進につながるのではないでしょうか。

設備取得などの流れ

ここまでご紹介してきた内容をフローにまとめると以下のようになります。

  1. 導入を予定している設備メーカーに「工業会証明書」を依頼
  2. 経営革新等支援機関に「事前確認」を依頼

  1. 設備メーカーから「工業会証明書」の取得
  2. 経営革新等支援機関から「事前確認書」の取得

  1. 「先端設備等導入計画」を市区町村へ申請


市区町村で審査

  1. 市区町村による「先端設備等導入計画」の認定

  1. 設備取得


賦課期日(1月1日)

  1. 税務申告

生産性向上特別措置法による支援をご紹介しました。

当ページではこの施策を分かりやすくお伝えすることを目的としておりますが、認定の可否などをお約束するものではありません。
またご不明点は中小企業庁や市区町村の担当部署にお尋ねいただくようお願いいたします。
検討にあたっては、中小企業庁や市区町村のご案内を必ずご確認ください。

参考:
経営サポート「生産性向上特別措置法による支援」 | 中小企業庁
生産性向上に向けた中小企業者・小規模事業者の新規投資を促進するため、固定資産税の特例(固定ゼロ)の拡充・延長を行います | 中小企業庁