環境省の事業「PPA活用など再エネ価格低減等を通じた地域の再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業」は、再エネや蓄電池の導入を支援し、コスト低減や、地域の再エネ主力化を図るものです。
予算は令和2年度補正予算が80億円、令和3年度通常予算が50億円で設定されています。
いくつかの事業がありますが、その中で「ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業」は自家消費型太陽光発電や蓄電池の導入が支援される補助金です。この事業をご紹介していきます。
ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業の概要
太陽光発電設備と蓄電池を組み合わせたシステムへの支援により、ストレージパリティの達成を目指す事業です。
「ストレージパリティ」とは、蓄電池を導入しないよりも蓄電池を導入した方が経済的メリットがある状態のことを指します。
設備導入等を支援することで、設備の価格低減を促進し、ストレージパリティの達成と災害時のレジリエンス向上を見込んで実施されます。
対象事業
停電時にも必要な電力を供給できる機能を有した自家消費型太陽光発電設備や車載型蓄電池、定置用蓄電池等の導入を行う事業。
補助金の交付額
太陽光発電設備 | 定額:4~5万円/kW+工事費の一部 |
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定置用蓄電池 | 定額:2万円/kWh又は6万円/kW+工事費の一部 |
車載型蓄電池 | 定額(蓄電容量(kWh)×1/2×2万円 |
充放電設備 | 2分の1および設置工事費 定額(上限額:1基あたり産業・業務用95万円、家庭用40万円)を合算した額 |
詳細は「補助金の交付額の算定」を参照ください。
補助対象
民間事業者・団体
詳細は「申請できる人」を参照ください。
実施期間
令和3年度~令和6年度
対象となる事業
以下の設備導入への補助があります。
- 自家消費型の太陽光発電
- 太陽光発電に付帯する定置用蓄電池
- 太陽光発電に付帯する車載型蓄電池
- 充放電設備
- 補助対象となる設備を運用する上で直接必要な付帯設備等
それぞれに条件がありますので、後述する「対象となる設備」でご確認ください。
対象となる契約形態は
- 需要家自らが発注、所有するケース
- オンサイトPPAモデルで導入するケース
- ファイナンスリース契約するケース
いずれも対象となります。
契約形態などによって補助される基準額が異なりますので、ケース毎の基準額などを「補助金の交付額の算定」のところで記載します。
事業の要件
補助の対象となるには以下の要件を満たす事業である必要があります。
- 平時において導入施設で自家消費することを目的に、かつ停電時にも必要な電力を供給できる機能を有した太陽光発電設備等を導入すること
- オンサイトPPAモデルによる導入の場合は、補助金額の5分の4以上が、サービス料金の低減等により、需要家に還元されるものであること
- ファイナンスリースによる導入の場合は、補助金額相当分がリース料金から控除されるものであること
- 戸建て住宅を除き、太陽電池出力が10kW以上であること
- 本補助事業の実施により得られる環境価値を需要家に帰属させるものであること
- 固定価格買取制度(FIT)による売電を行わないものであること。また令和4年に開始が予定されているFIP制度の認定を取得しないものであること
- 応募時に、設備の設置場所、需要家及び申請者を含む全ての補助事業者が確定していること
- 太陽光発電設備等の設置や電力供給等、補助事業の実施にあたっては、関係諸法令・基準等を遵守すること
- CO2削減が図れるものであること
より具体的にどういった設備が対象となるのか、次項「対象となる設備」でご紹介します。
対象となる設備
太陽光発電
- 停電時にも必要な電力を供給できる機能(自立運転機能)があるもの。
※ただし、蓄電池又は非常用発電設備を併設し、停電時にも必要な電力を供給できる場合は自立運転機能はなくても可。 - FIT認定を取得しないもの。今後予定されているFIP制度の認定も取得しないもの。
- 想定される発電量は、原則として平時に使用するエネルギー量を考慮した適正な量であること
- 太陽電池出力が10kW以上であること(戸建て住宅を除く。)
太陽光発電に付帯する定置用蓄電池(蓄電池設備のみの申請は不可)
- 定置型(据置型)に限る。
- 太陽光発電設備によって発電した電気を優先的に蓄電するもので、平時に充放電を繰り返すことを前提とした設備とすること(停電時のみの使用は不可)
- 目標価格以下の蓄電システムであること
目標価格
産業用蓄電池(4,800Ah・セル以上)の2021年度の目標価格
21万円/kWh(工事費込み)
ただし、太陽光発電と蓄電システムのハイブリッドパワコンの場合、蓄電システム以外に寄与する部分の経費分を控除することができる。切り分けられない場合、定格出力(系統側)1kWあたり2万円を控除することができる(定格出力の小数点第二位以下は切り捨て)。家庭用蓄電池(4,800Ah・セル未満)の2021年度の目標価格
16.5万円/kWh(工事費込み)
家庭用蓄電池は満たすべき条件がいくつか定められており、詳細は 公募要領 のP10を確認ください。
太陽光発電に付帯する車載型蓄電池
以下をいずれも満たすもの。
- 外部給電が可能な電気自動車又はプラグインハイブリッド自動車(車載型蓄電池)
- 充放電設備(次項参照)と同時に導入するもの
※令和3年度経済産業省クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金の「補助対象車両一覧」の銘柄であること。
参考 補助対象車両一覧
充放電設備
平時において、太陽光発電設備から電力供給が可能となるよう措置されている場合に限る。
災害等による停電発生時において、本補助金を活用して導入した車載型蓄電池から施設へ電力供給が可能となるよう措置されているものに限る。
その他、補助対象となる設備を運用する上で直接必要な付帯設備等も対象となります。
申請できる人
- 民間企業(導入する設備等をファイナンスリース契約により提供する契約を行う民間企業を含む)
- 青色申告を行っている個人事業主
- 独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第1項に規定する独立行政法人
- 一般社団法人・一般財団法人及び公益社団法人・公益財団法人
- 地方公共団体(定置用蓄電池又は車載型蓄電池等を導入する者で、太陽光発電設備を導入する民間企業と共同申請をする場合に限る)
- 個人(定置用蓄電池又は車載型蓄電池等を導入する者で、太陽光発電設備を導入する民間企業と共同申請をする場合に限る)
- その他環境大臣の承認を経て機構が認める者
注1:地方公共団体が設置又は管理を行う施設にファイナンスリース契約により設備等導入を行う場合は補助対象外。
注2:この事業における、「民間企業」は、株式会社・合名会社・合資会社・合同会社・信用金庫・相互会社・有限会社
のほか、学校法人、医療法人、社会福祉法人、事業ごとに特別法の規定に基づき設立された協同組合等を指します。
補助金の交付額の算定
太陽光発電設備
契約形態により基準額が異なります。
契約形態 | 基準額 |
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オンサイトPPAモデル | 定額 (5万円/kW) +設置工事費相当額10万円 |
当該施設の設置者(所有者)自らが発注・所有 | 定額 (4万円/kW) +設置工事費相当額10万円 |
ファイナンスリース契約 |
※基準額の算定に用いる太陽電池出力は、太陽電池モジュールの合計値とパワーコンディショナーの定格出力合計値の低い方。kW単位の小数点以下は切り捨て。
※補助金の上限額は、1需要地あたり2億円
定置用蓄電池
産業用蓄電池(4,800Ah・セル以上)か、家庭用蓄電池(4,800Ah・セル未満)かにより基準額が異なります。
種類 | 基準額 |
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産業用 | 定額 (6万円/kWh) および設置工事費相当額 定額(10万円)を合算した額と間接補助対象経費に3分の1を乗じて得た額とを比較して少ない方の額 |
家庭用 | 定額 (2万円/kWh)および設置工事費相当額 定額(10万円)を合算した額と間接補助対象経費に5分の1を乗じて得た額とを比較して少ない方の額 |
車載型蓄電池
定額(蓄電容量(kWh)✕1/2✕2万円。令和3年度 CEV補助金の「銘柄ごとの補助金交付額」を上限額とする。)
充放電設備
2分の1(令和3年度CEV補助金の「銘柄ごとの補助金交付額」を上限額とする)、および設置工事費 定額(上限額:1基あたり産業・業務用95万円、家庭用40万円)を合算した額
参考:令和2年度(第3次補正予算)二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業)