2020年度のFITから「地域活用要件」なるものが登場する予定です。
2020年度はまだ低圧(10〜50kW未満)の太陽光のみの適用ですが、今後は他の電源にも広げるよう検討が進められています。この「地域活用要件」についてご紹介します。

「地域活用要件」の背景

災害時のレジリエンス(強靭性)強化

2018年の北海道胆振東部地震によるブラックアウト、2019年の台風による長期停電など、ここ数年大規模な停電のニュースが目立ちます。停電時にも利用できたり、災害からの復旧に役立てられる電源へのニーズが高まっています。

エネルギーの地産地消

大規模な停電が目立ったことで、大規模集中型の電力システムだけに頼ることへの不安が高まりました。点在する再生可能エネルギーなど分散型のエネルギーの活用へ期待が高まります。
また都心から離れた地方に自然エネルギーが豊かな場合が多いですが、そうした地方で再エネ資源を活用することで、地域のなかで経済活動を活発にするなどの効果も期待されています。

地域活用に期待される電源

  • 需要地に近接して設置できる電源(小規模な事業用太陽光発電など)
  • 地域に賦存するエネルギー資源を活用できる電源(例:小規模地熱・小水力・バイオマス)

が地域活用要件を求められ、充足したものがFIT対象となる予定です。

地域活用の2つの型

地域活用には「自家消費型」「地域一体型」の2種類があります。電源種別や規模により以下のような区分になる予定です。

地域活用要件の区分

出典:総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会 中間取りまとめ(案)

参考:総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会 中間取りまとめ(案)

「自家消費型」「地域一体型」のそれぞれをご紹介します。

自家消費型

10〜50kW未満の太陽光発電がここに区分されます。
2020年4月1日から適用される予定です。

自家消費型の要件

以下の1.2.のいずれも満たすことが求められます。

  1. 余剰売電を行う設備構造・事業計画
    発電した電力を消費した後に余った電気を売電する構造とするとともに、売電する割合は70%未満であること。
  2. 災害時に活用可能な設備構造・事業計画
    災害時に自立運転機能を利用できること。非常時のコンセントBOXを有し、災害時の利活用が可能な計画であること。

地域一体型

小水力発電、小規模地熱発電、バイオマス発電がここに区分される予定です。
2022年4月1日からの適用をめざして検討が進められています。

地域一体型の要件

以下の1.2.3のいずれかを満たすことを要件とすることが検討されています。

  1. 災害時(停電時)の電気の活用
    地方自治体の防災計画などに、災害時(停電時)に電力の活用が位置づけられていること。
    防災計画は、災害時に活用されるものであれば、ハザードマップや地方自治体と発電事業者との間の個別協定なども含めて認められます。
  2. 地域マイクログリッド
    地域マイクログリッドを構築するしくみが確率されたら、将来的に要件とされる見込みです。
    地域マイクログリッドとは、平時は既存の系統配電線を活用し、緊急時には上位系統と切り離し(オフグリッド化)、地域内に電力供給を行う方法のことです。
    想定される地域マイクログリッドのシステムモデル

    想定される地域マイクログリッドのシステムモデル

    参考:地域分散型電源活用モデルの確立に向けた支援制度について
  3. 熱電併給
    災害時(停電時)に、電気だけでなく発電時に生み出される熱などを地域で活用できるよう、地方自治体の防災計画等に位置付けられていることが求められる見込みです。
    たとえば地熱発電所において、蒸気で発電を行い、熱水を温浴や暖房に使用するなどの活用があります。

参考: