2019年10/24〜11/22までFIT法施行規則の一部を改正する省令案のパブリックコメントが受け付けられており、結果変更なく進められることとなりました。
増強が困難とされる系統が「ノンファーム系統」として適用されると、その系統に接続する際は無補償で出力制御を前提に接続する、という内容です。
需給バランスをとるための出力制御はすでに九州電力で行われていますが、いわゆる「中三電」は需要が大きいので出力制御はない、というこれまでの認識を改める必要がある改正となります。主に低圧太陽光向けの内容をご紹介します。

「ノンファーム型接続」とは?

系統に空き容量がある時間帯には送電できる接続方式。
空き容量がない時には出力制御することに合意の上で接続することになります。

くわしくは「ノンファーム型接続とは?」をご覧ください。

「ノンファーム系統」とは?

基幹系統(上位の送変電等設備)で、増強工事の費用や難易度などを評価した結果、増強することが現実的でない、不適切と判断される系統。
送配電事業者が判断するのではなく、中立の立場である電力広域的運営推進機関の広域系統整備委員会で検討・判断されます。
2020年1月時点のノンファーム系統、検討中系統は以下の通り。

ノンファーム系統

ノンファーム系統
東京電力:新京葉線
2019年9月17日にノンファーム適用。
8/31以降の接続申込みは、系統混雑時の出力制御に同意が必要となっています。

東京電力:新佐原線
2019年9月17日にノンファーム適用。
8/31以降の接続申込みは、系統混雑時の出力制御に同意が必要となっています。

東京電力:鹿島系統
2020年1月24日にノンファーム適用。
12/1以降の接続申込みは、系統混雑時の出力制御に同意が必要となっています。

ノンファーム検討中系統

ノンファーム検討中系統
東京電力:那珂系統、港北系統
東京電力から委員会へ申し入れがあり、現在検討中。
まだ検討中の段階ですが、早期に接続を進めるため、12/1以降の接続申込みは、系統混雑時の出力制御に同意が必要となりました。

参考:

ノンファーム系統、ノンファーム検討中系統に接続するのに必要な対応

東京電力パワーグリッドは2020年6月30日に「出力制御機能付PCS等の設置に係るお手続きについて」というお知らせを掲載しました。
ノンファーム系統・ノンファーム検討中系統に「系統混雑時には無補償の出力制御を受け入れることで契約申し込み・連系を行った」発電事業者に対し、これから必要な手続き内容が接続契約申し込み時期ごとに記されています。

2020年6月29日以前の接続契約申し込み分の大まかな手続きの流れ

  1. 東京電力パワーグリッドより発電事業者に「出力制御機能付PCS等の設置に係るお手続きについて」というダイレクトメールが届きます。
  2. 内容を確認し、出力制御ユニットなどの必要な機器が設置されているか等を確認します。
  3. 機器の追加設置やインターネット契約などが必要であれば、追加する機器やサービスを選定します。
  4. 「出力制御機能付PCS等の仕様確認依頼書」「PCS等系列単位の諸元一覧」に出力制御対応機器(出力制御ユニットなど)の仕様を記入し、東京電力パワーグリッドに提出します。
  5. 提出した内容に問題がなければ「発電所ID」などの出力制御対応機器の設置・設定に必要な情報が東京電力パワーグリッドから発電事業者に届きます。
  6. 必要であれば機器の購入・設置工事を行い、発電所IDの設定を行います。
  7. 工事が完了したら「出力制御機能付PCSの設置(切替)完了届」に必要事項を記入し、東京電力パワーグリッドに提出します。
  8. 東京電力パワーグリッドにて確認し、問題なければ完了です。

2020年6月30日以降に接続契約を申し込む場合

契約申し込み時に「出力制御機能付PCS等の仕様確認依頼書」「PCS等系列単位の諸元一覧」も併せて提出し、出力制御機能付PCS等の仕様が確認された上で接続契約が承諾されることになります。この時点で発電所IDが発行されます。
設置工事、発電所IDの設定などを行い、「出力制御機能付PCSの設置(切替)完了届」に必要事項を記入し、東京電力パワーグリッドに提出します。
東京電力パワーグリッドにて確認し、問題なければ受給開始となります。

参考:
「試行的な取り組み」および「早期接続の取り組み」対象エリアの「出力制御機能付PCS等の設置に係るお手続き」の掲載について | 東京電力パワーグリッド

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