分割案件例
地権者が同じひとまとまりの土地を意図的に分割して太陽光発電設備の認定をうける「分割」案件の審査が2019年11月19日から厳格化されました。
経緯やどのような場合に「分割」とみなされるのかなどご説明します。

分割案件問題の経緯

2014年度

2012年から始まった太陽光発電の固定価格買取制度では、50kWをさかいに安全対策や土地の確保義務など様々な面で厳しくなるため、大規模な発電設備を作ることができる土地を分割して、50kW未満の複数の発電所をつくる「分割(分譲)案件」が数多く存在しました。

本来行われるべき安全対策が行われない、本来不要な電柱などの設置が必要になり電気料金の上昇につながるなど、問題視されており、2014年度から分割案件は認定されなくなりました。

「実質的に同一の申請者から、同時期又は近接した時期に複数の同一種類の発電設備の申請があること」や「当該複数の申請に係る土地が相互に近接するなど、実質的に一つの場所と認められること」が確認されることになりました。
確認のために登記簿謄本や、使用を認める契約書(他人所有の土地の場合)の提出が求められます。

参考:平成26年度の認定運用を変更します | 資源エネルギー庁

2017年

2017年9月、総務省のFIT実態調査により、禁止されているはずの分割案件が多数認定を受けている恐れがあることが分かり、総務省から経産省へ改善勧告が行われました。

参考:再生可能エネルギーの固定価格買取制度の運営に関する実態調査<調査結果に基づく勧告> | 総務省

これを受けて2017年12月以降、認定申請に対する確認を徹底する措置がとられました。
認定済・申請中の全設備の情報との突合を可能とするシステムが導入され、「分割案件」 のおそれがある全案件に対し、該当しないことを証明する書類の提出、又は分割を解消した上での再申請を求められました。

参考:再生可能エネルギーの固定価格買取制度の運営に関する実態調査<勧告に対する改善措置状況(2回目のフォローアップ)の概要> | 総務省

2019年11月

まだ分割案件が多いということで、2019年11月19日から、審査を厳格化すると発表されました。

参考:「再生可能エネルギー発電事業計画の認定における設備の設置場所について」の更新について | 資源エネルギー庁

どういう案件が分割なのか?

“再生可能エネルギー発電事業計画における再生可能エネルギー発電設備の設置場所について”には以下のように書かれています。

基本的な考え方
再生可能エネルギー発電設備の設置場所が同種の再生可能エネルギー発電設備の設置場所と隣接する場合(地権者が同一の一団の土地にある場合を含む)であって、かつ、以下のいずれかが同一である場合は、原則として施行規則第5条第2号の「一の場所」に設置される分割案件として判断し、不認定とする。

  1. 発電事業者
  2. 登記簿上の地権者(その土地を所有・処分する権利を有する者をいい、申請日から原則1年以内において同じ者である場合も含む。)
    ※ただし、10kW 以上 50kW 未満の低圧太陽光発電設備については、大規模設備を意図的に小規模設備に分割している事例が多く存在していることから、このような案件と判断した場合は、登記簿上の地権者の確認を原則 2014 年度まで遡って確認を行い、地権者が同じ場合には分割と判断する。

低圧の太陽光発電の視点から、もう少し具体的に見ていきましょう。

分割案件と判断される条件

  • 発電設備の設置場所のとなり(地権者が同一の一体として利用することが可能なひとまとまりの土地にある場合を含む)に、別の太陽光発電設備がある。
  • 発電事業者または登記簿上の地権者が同じ※
    ※地権者は申請日から1年以内に同一人物であった場合、「同じ」とみなされます。
    低圧太陽光の場合は、分割が疑われる際はさらに2014年度までさかのぼり、地権者が同じであった場合は分割と判断されます。
    他事業者と共同して、連続して同一の発電事業者とならないよう複数の発電所を設置している場合も「分割案件」とみなされます。
分割案件例

発電事業者が連続しないように複数の発電所を設置しても「分割案件」とみなされます。

分割案件と判断されない条件

  1. 元から公道や河川などをはさんでいて、物理的に統合することができない場合。
    ※ただし、意図的に私道などを作り、分断していると思われる場合を除く。
  2. 農地などのように他用途への使用が制限されている土地をはさんでいることが客観的に認められる場合。
  3. 住宅、工場、店舗の屋根に設置されている太陽光発電と隣接する場合。
    ※ただし、20kW以上かつ一部を屋根に設置し、残りを地上に設置する場合を除く。
  4. 分割しても全てが特別高圧(2,000kW以上)の場合
  5. 異なる種類の再エネ発電設備を設置する。
    ※太陽光と風力など。ただし意図的に交互に設置するなどは不可。
  6. 平成25年度(2013年度)までに申請して認定を受けた設備と隣接した場所に設置する場合。
  7. すでに運転を開始している同種の発電設備と、電力会社が設置する売電メーター的に1発電場所として扱われる場合。

参考:再生可能エネルギー発電事業計画における再生可能エネルギー発電設備の設置場所について | 資源エネルギー庁