使用電力を100%再生可能エネルギーにする枠組み「RE100」や「再エネ100宣言 RE Action」について、このブログでも紹介してきました。参加する企業も増えていますが、実際にどのような方法で使用電力100%再エネを達成するのでしょうか?再エネ電力の調達方法についてまとめます。

再エネ電力とは?

まず最初にこの記事でご紹介する「再エネ電力」について定義します。

対象となる再生可能エネルギーは以下の通り。

  • 太陽光発電および太陽熱発電
  • 風力発電
  • 水力発電(大型水力を含む)
  • バイオマス発電(バイオガス発電を含む)
  • 地熱発電

RE100などの枠組みにおいて、再エネ100%を達成する方法として認められるものをご紹介します。
再エネ発電であっても、FIT制度(固定価格買取制度)対象の発電は国民負担により環境価値が発電事業者へ支払い済みであるため、FIT電気に環境価値は認められません。RE100などの達成方法としてもFIT電気を使用するだけでは再エネを使用したと認められませんので、この記事ではFIT電気を除きます。

再エネ電力の調達方法

再エネの電力を調達するには、以下の6つの方法があります。

  1. 企業が保有する発電設備による発電
  2. 企業の敷地内に設置した他社が保有する設備からの電⼒購入
  3. 企業の敷地外に設置した発電設備から専用線を経由して直接調達
  4. 企業の敷地外に設置した発電設備から系統を経由して直接調達
  5. 電⼒小売との契約(再エネ由来電力メニュー)
  6. 再エネ電⼒証書の購入

1つの方法で調達する場合もありますが、いくつかの方法を組み合わせて調達するのが一般的です。
例えば、
1.自社の屋根上に設置した太陽光発電からの電力を自家消費する
 +
5.自家発電で足りない電力は電力会社から再エネ由来電力を購入する
などです。

それぞれの方法を詳しくみていきましょう。

1.自社が保有する発電設備による発電

自社が保有する発電設備による発電
電気を使用する社屋や建物の敷地内に再エネ発電設備を所有し、その発電電力を自社で使用する方法です。
たとえば工場の屋根上や敷地内の駐車場等に太陽光発電を設置し、その電力を工場で自家消費する、などのケースです。
初期投資が高額になりがちで、運用コスト・手間がかかる、どこでも発電できるとは限らないなど確認すべき点はありますが、再エネ電力の調達手段としてもっとも直接的で無駄がない方法です。条件が合えばまずはこの方法を検討されることをお勧めします。

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2.企業の敷地内に設置した他社が保有する設備からの電⼒購入

企業の敷地内に設置した他社が保有する設備からの電⼒購入
PPAモデルを活用した調達方法です。
電気を使用する企業(需要家といいます)の敷地内に、第三者が負担して発電設備を設置し(この第三者をPPA事業者といいます)、そこで発電した電力をPPA事業者が需要家に販売するモデルです。
敷地内(=オンサイト)にあるPPA(電力購入)契約ということで、「オンサイトPPA」とも呼ばれます。
契約内容によりますが、多くの場合、需要家は機器の費用や工事費などの初期投資は不要で、故障時の対応など運用の手間・コストも不要。費用負担が不要もしくは少額で敷地内の発電設備から再エネ電力を自家消費できます。
太陽光発電は導入にかかる費用が低下してきており、従来の電気料金と変わらない電気料金を設定するPPA契約が多いようです。
発電に関する条件はクリアできるが、初期費用や資産計上といった資金面・税金面の事情で自家消費型太陽光発電の導入がうまく運ばない場合は、このPPAモデルを使う調達方法を検討すると良いでしょう。

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3.企業の敷地外に設置した発電設備から専用線を経由して直接調達

企業の敷地外に設置した発電設備から専用線を経由して直接調達
敷地外にあるメガソーラーなどの発電設備と工場などの需要地を専用線で接続し、電力を使用する方法です。国内では石狩市にあるさくらインターネットのデータセンターの事例が有名です。
専用線で直接接続するとなると、需要地と電源との距離や規模によっては大掛かりなプロジェクトとなり、現時点ではハードルが高いといえます。
しかし災害時に広範囲に渡って停電をするような場合も、自営線の被害がなければ電力が使えるなど、レジリエンス強化の面でも期待されています。

4.企業の敷地外に設置した発電設備から系統を経由して直接調達

企業の敷地外に設置した発電設備から系統を経由して直接調達
敷地外にある再エネ発電設備からの電力を、送配電ネットワークを経由して使用する方法です。
電力を使用する場所では十分には発電できないケースでも、遠く離れた発電適地にあるメガソーラーの電力が利用できるなど、活用範囲が広がります。
独自に専用線を敷設する必要はないため、3.のケースほど導入のハードルは高くありませんが、電力会社の送電網を使う利用料として「託送料金」を支払う必要があります。託送料金も含めたランニングコストを容認できるかの検討が必要です。
近い将来、さらに再エネの発電コストの低下などにより有望な調達方法になると見込まれています。

参考:自己託送ーさらなる自家消費の拡大にー

5.電⼒小売との契約(再エネ由来電力メニュー)

電力小売事業者が提供する「再エネ電力メニュー」の電力を購入する方法です。
電気料金メニューの切り替えだけで始められ、設置コストや運用コスト・手間もかからないため手軽な調達方法といえます。
コスト的には、通常の電気料金よりも1〜2割ほど割高になることが多いようですので、そのコストを容認できるかの検討が必要です。
FIT制度による買取が終了した太陽光発電が今後も大量に出てくると想定できますので、卒FIT電源の余剰電力といった安価な再エネ電力の活用による電力量単価の低下に期待したいところです。
一例:
信州Greenでんき | 中部電力ミライズ
再エネECO(エコ)プラン | 関西電力

6.再エネ電⼒証書の購入

再エネ電力は電力そのものの価値の他に、CO2を排出しないなどの環境価値を持ちます。この価値を証書化した再エネ電⼒証書を購入することで、再エネを使用したとみなすしくみです。
企業や自治体などの需要家が直接売買できる証書に「グリーン電力証書」「J-クレジット(再エネ発電由来)」があり、1kWhあたり1〜4円程度で販売されています。
再エネ電力の調達方法としてはもっとも間接的ですが、他の方法と組み合わせるなどして利用するのが一般的なようです。
需要家が自らが証書を購入することもできますが、小売事業者が提供するメニューにも通常の電気と証書を組み合わせたグリーン電力メニューもありますので、相談してみると良いかもしれません。
参考:EnneGreen | エネット