中国電力から該当する発電事業者に向けて「太陽光発電(新・指定ルール)の出力制御に関する今後のお手続について」というお知らせが送付されました。
2019年3月29日に中国電力のウェブサイトに掲載もされています。

「中国電力エリアの太陽光が「30日等出力制御枠」に到達」の記事で、2018年7月11日に「30日等出力制御枠」に達し、いずれ出力制御対応機器を設置するようお知らせがくる、とご紹介しましたが、その時期が来たということになります。
このお知らせを受け取った方は、期日までに具体的な出力制御対応を進める必要があります。
その内容をご紹介します。

「太陽光発電(新・指定ルール)の出力制御に関する今後のお手続について」の送付対象

今回のお知らせが送付された対象は以下の条件に該当する太陽光発電設備のオーナーです。

  1. 2015年4月1日以降に中国電力に連系を申し込んだ10〜50kW未満の設備
  2. 2015年1月26日以降に中国電力に連系を申し込んだ50kW以上の設備

※対象となるかどうか、正確な情報は中国電力にご確認ください。

上記以外も含む中国電力管内の太陽光発電の出力制御ルール(指定ルール・新ルール・旧ルール)はこちらをご確認ください。

中国電力から届くお知らせの概要

中国電力から以下の書類が届きます。

①太陽光発電(新・指定ルール)の出力制御に関する今後のお手続について
書面の趣旨や問い合わせ先が記載されています。
②資料❶ 今回出力制御の準備が必要となる発電所一覧
該当オーナー様が所有する、出力制御対象設備が記載されています。
③資料❷ 出力制御の詳細についてのご説明
出力制御とは何かということや、必要な手続きについて、簡単な説明が書かれています。
④資料❸ 太陽光発電に関する今後のお手続の流れ
「太陽光発電設備ご購入先(住宅メーカー、販売店など)」「ご契約者さま(設備オーナー様)」「中国電力」のそれぞれに必要な対応が順を追って図示されています。
⑤よくあるご質問
想定される疑問点とその答えが記載されています。

対象の方が必要とされる概要

書類等の提出

  • 「出力制御機能付PCSの仕様確認依頼書」を提出(2019年5月末まで)
  • 「完了届」を提出(2020年1月末まで)

※必要であれば「事業計画変更認定申請」を行う。

機器等の設置

  • 出力制御に対応したパワーコンディショナーの設置 (2020年1月末まで)
  • 出力制御ユニットの設置(2020年1月末まで)
  • インターネット回線契約(2020年1月末まで)
  • 「発電所ID」の登録などの設定(販売会社などのサービスマンによる作業)(2020年1月末まで)

出力制御機能付パワーコンディショナー(PCS)とは?

中国電力の説明によると「出力制御スケジュールに合わせて発電量を自動で制御することができるPCS」と書かれています。

出力制御機能付きPCSシステムの構成

出典:太陽光発電協会 日本電機工業会 電気事業連合会「出力制御機能付PCSの技術仕様について」

KPV-A55

PCS(狭義)例 オムロン製パワーコンディショナーKPVKPV-A55

一般的に“パワーコンディショナー”と聞いて思い浮かべるのは、写真のような機器かと思います。
まずこの機器が「出力制御に対応しているか」を確認します。各パワコンメーカーのウェブサイトで製品情報のページに書いてるはずですのでご確認ください。
しかしこのパワーコンディショナーだけで「出力制御スケジュールに合わせて発電量を自動で制御」することはできません。上図の③PCS(狭義)にあたります。
そのため、電力会社からの出力スケジュールを取得したり、スケジュールに則ってパワーコンディショナーの出力を調整するための「出力制御ユニット」を追加します。

出力制御ユニットについて詳しくは出力制御ユニットとは?の記事をご覧ください。

PCSのプログラム更新とは?

出力制御ユニットは、電力会社と接続できるソフトウェアが必要です。
今回中国電力向けの対応の必要が出てきたように、一度に各電力会社分の仕様が確定していたわけではないため、出力制御ユニットの購入時期によってはソフトウェアをアップデートする必要があるのです。
中国電力と接続できるソフトウェアが入っていなければ、アップデートをしないと「発電所ID」登録などの設定ができません。
このプログラム更新の時期や方法は出力制御ユニットメーカーによって異なります。

出力制御スケジュールを取得するためのインターネット環境は必要?

インターネット通信が可能な場所に設置している場合は環境を整えましょう。
インターネットで細かにスケジュールを取得したほうが、出力制御される量が大幅に少ないと想定されるためです。
新たにインターネット回線を敷設するコスト、月々の接続料などの負担があるように感じられるかもしれませんが、インターネット回線がない場合のほうが「売電量の減少」「毎年の手動アップデートの稼働コスト」「更新忘れによる出力停止リスクの増加」など収益減少のインパクトが大きいので、インターネット環境をご用意されることを強くお薦めします。

出力制御ユニットの設置・設定はだれでもできる?

電気工事の有資格者の方が行う必要があります。また発電所IDもサービスマンによる対応が必要なモード(メンテナンスモード、保守モード等)から登録することになります。
発電出力を制御する、発電所にとって大切な役割を持つ機器ですので、誰でも設置・設定できるわけではないのです。

参考:
中国電力|再生可能エネルギーの出力制御

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