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2016年4月1日から、電力小売が自由化され、家庭においてもどの電力会社から電気を買うか選べるようになりました。
電力会社を選ぶにあたって、知っておきたい用語をご紹介していきます。まずは「FIT電気」を。

FIT電気とは?

固定価格買取制度(FIT制度)によって買い取られた、再生可能エネルギー源(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)を用いて発電された電気のことを『FIT電気』といいます。

固定価格買取制度(FIT制度)とは?

固定価格買取制度(FIT制度)とは、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスを用いて発電された電気を、国が定める固定価格で一定の期間電気事業者に買い取るよう義務づける制度で、2012年7月1日にスタートしました。

主要電源のコスト資産

出典:資源エネルギー庁「再生可能エネルギー固定価格買取制度ガイドブック 2016(平成28)年度版

上図からも分かるように、再生可能エネルギーの発電コストは今はまだ高いのですが、固定価格で10年や20年間という長期に渡って必ず買い取ることが約束されるため、初期投資の回収の目処が立ちやすく、回収にかかる期間も短くて済むため、特に太陽光発電において普及に大きく貢献しています。

しかし高い固定価格で10年間もしくは20年間も必ず買い取らないといけない電力会社は大丈夫でしょうか?

実は電力会社が再生可能エネルギー電気の買取りに要する費用は、電気を利用する全ての人から電気料金の一部として集めた「再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)」でまかなわれています。
電力会社からの明細(電気ご使用量のお知らせ)を見てみましょう。電気料金の内訳欄に「再エネ賦課金」が掲載されているはずです。

再エネ賦課金

出典:資源エネルギー庁「再生可能エネルギー固定価格買取制度ガイドブック 2016(平成28)年度版」

固定価格買取制度(FIT制度)は、電気を使う人全てが支えていると言えます。
再エネの普及が進むことで、エネルギー自給率の向上や、技術力を活かした環境関連産業の成長が見込め、地球温暖化対策にもつながり、国全体のメリットがあるため、このようなしくみになっています。

FIT電気に環境価値はない?

FIT電気は再生可能エネルギー源で発電された電力ですので、「CO2を排出しない、クリーンな電力」というイメージを持たれると思います。
しかしFIT電気には環境価値がないとされています。なぜでしょうか?

FIT電気は再生可能エネルギー源で発電されていますが、電気の需要家(使う人)すべてが費用の負担をしていることから、その環境価値はすでに電気を使う人のもとに帰属しているといえます。
そのためFIT電気のCO2の排出量は、火力発電なども含めた全国平均と同じとして扱われるのです。

FIT電気だけを使えない?

一般送配電事業者が運用する送配電網を経由して電気を流す場合、電気は混ざり合って届けられます。「火力発電」、「原子力発電」、「再エネ」など多くの発電所がありますが、特定の発電所から電気の供給を受けることはできないのです。
これは電気の特性上、しかたのないことと言えます。

また、FIT電気を販売する小売事業者でも、天候や時間帯によってFIT電気の調達が難しい時には一般電気事業者や日本卸電力取引所から調達した電気を供給することになり、さまざまな電源による電力を届けることになります。

送配電網

FIT電気を買うには?

環境価値がなく、電気が混じり合って届くとしても、FIT電気を選ぶことは再エネを応援することになるでしょう。

小売電気事業者には、どのように発電した電気か、その電源構成の開示が望まれています。
2016年4月時点で公開されている電源構成の一例を見てみましょう。

電気を使う人が、「価格が安い」という理由ではなく「どうやって作られた電気か」ということで積極的に電気の選択を行うようになることで、みんなが使いたくない電気は淘汰され、より求められる電源が増えて行くことにつながります。

電力小売が自由化されましたが、まだ切り替えず、様子見をしている人が多いと思います。
これから電力会社を切り替えようとお考えの方は、どういった電気を使いたいか、今後どういった電源が増えてほしいかということも検討し、選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。

参考:
小売営業ガイドライン制定 電源構成開示も望まれる