平成28年(2016年)7月21日に九州電力より「九州本土における再生可能エネルギーの導入状況と優先給電ルールについて」というプレスリリースがありました。
種子島、壱岐では2〜5月にかけて既に出力制御が行われてきましたが、九州本土における太陽光発電の出力制御が現実味を帯びてきました。

九州電力の最近の需給状況

出典:再エネの導入状況と至近の需給状況について(九州電力)

出典:再エネの導入状況と至近の需給状況について(九州電力)

今年5月4日需給状況を見ると、朝8〜9時頃には「太陽光発電」「風力発電」が伸び始めて、早くも出力が需要を上回っています。
正午頃には揚水運転や火力発電の抑制が、かなり大きくなっていることが分かりますね。

さらに再エネの発電量が伸び、火力発電の出力を抑制したり揚水運転などを行っても供給が需要を上回ることが見込まれると、太陽光発電や風力発電も出力制御が実施されます。

出力の抑制等を行う順番「優先給電ルール」

「優先給電ルール」は、2016年4月に電力広域的運営推進機関の送配電等業務指針第173条、第174条で整備されたものです。
需要に対して供給が上回ると見込まれる場合は、このルールに則った措置が講じられます。

出典:優先給電ルールの考え方について(九州電力)

出典:優先給電ルールの考え方について(九州電力)

発電事業者の対応内容

九州電力管内での出力制御の具体的な対応内容が示されました。

出力制御の指示・実働スケジュール

前日10時頃:気象データ受信
 ↓
翌日の需要、 再エネ出力の想定
翌日発受電計画の策定
出力制御量の決定
 ↓
前日17時頃:出力制御の指示

出典:優先給電ルールに基づく各発電事業者さまの対応内容について(九州電力)

出典:優先給電ルールに基づく各発電事業者さまの対応内容について(九州電力)

出力制御指示に基づく対応内容

(1)現地操作の場合(手動制御)

前日17時頃に出力制御指示が電話やメールで行われます。常に受信・確認できる体制の構築が求められます。
前日の出力制御指示内容に従い、出力制御時間までに発電事業者が現地で発電所の「発電停止」を行います。
出力制御時間終了後には、現地で発電所の「発電開始」を行います。

出力制御時間は、8~16時と想定されていますが、太陽光の日射量が大きくなる時間帯に応じて、季節毎に設定することを検討されています。

出典:優先給電ルールに基づく各発電事業者さまの対応内容について(九州電力)

出典:優先給電ルールに基づく各発電事業者さまの対応内容について(九州電力)

(2)自動制御の場合(出力制御機能付PCS)

前日17時頃に出力制御機能付PCSへの制御内容(予定)が九州電力ホームページに掲載されます。
メールアドレスを登録すれば、メールで受信することも可能になる予定です。
出力制御を実施する当日は、九州電力からの遠隔での出力制御信号に基づき、出力制御機能付PCSが自動的に制御されます。

出典:優先給電ルールに基づく各発電事業者さまの対応内容について(九州電力)

出典:優先給電ルールに基づく各発電事業者さまの対応内容について(九州電力)

出力制御機能付パワーコンディショナーへの取替等が発生する設備もあり、パワコンメーカーの生産体制等確認後に、九州電力から発電事業者(特高・高圧・低圧10kW以上)に取替スケジュールなどの具体的な内容の連絡があります。

九州電力から発電事業者への説明

発電事業者の対応内容については、九州電力より発電事業者へ丁寧に説明を行うことが示されています。
以下の予定で、ダイレクトメール発送や訪問の予定が発表されていますので、該当の方は九州電力からのご連絡をお待ちください。

出典:優先給電ルールに基づく各発電事業者さまの対応内容について(九州電力)

出典:優先給電ルールに基づく各発電事業者さまの対応内容について(九州電力)

参考:
九州本土における再生可能エネルギーの導入状況と優先給電ルールについて | 九州電力
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