国の電気・ガス価格激変緩和対策事業により2023年1月使用分からはじまった電気代の値引き。この措置が2024年5月使用分にて終了します。電気料金への影響を見ていきましょう。

電気・ガス価格激変緩和対策事業による電気代の値引き

電気代の値引きは低圧受電契約では1kWhあたり7円、高圧受電契約では1kWhあたり3.5円でスタートしましたが、燃料価格などの状況に合わせて段階的に値引き額が減額されてきました。
2024年6月使用分(2024年7月分電気料金)以降は値引き措置はなくなります。

政府補助による値引き単価の推移

  低圧受電 高圧受電
2023年1⽉〜2023年8⽉使⽤分
(2023年2月分料金~2023年9月分料金)
7円/kWh 3.5円/kWh
2023年9⽉〜2024年4⽉使⽤分
(2023年10月分料金~2024年5月分料金)
3.5円/kWh 1.8円/kWh
2024年5⽉使⽤分(2024年6月分料金) 1.8円/kWh 0.9円/kWh
2024年6月使用分以降 なし なし

2024年度は再エネ賦課金も値上がり

2024年5月分電気料金以降は再エネ賦課金単価も上がっていますので、需要家さまの支払う電気料金は段階的に上がることになります。

再エネ賦課金単価推移

2023年4⽉~2024年3⽉使⽤分
(2023年5月分料金~2023年4月分料金)
1.4円/kWh
2024年4⽉~2025年3⽉使⽤分
(2024年5月分料金~2025年4月分料金)
3.49円/kWh

値引き単価、再エネ賦課金単価の推移を整理すると以下の図のようになります。
2024年度電気料金

電気料金への影響

商店、事務所、飲食店など小型電力を多く使う需要家向けの電気料金プラン(従量電灯Cなど)で、契約容量15kVA、1ヶ月の使用電力量が1,500kWhの場合の試算をしてみました。影響を見てみましょう。
※各社の公開している単価をもとに弊社で算出。燃料調整費は2024年5月分と同等して算出。

電気代適用月 4月分電気代 5月分電気代 6月分電気代 7月分電気代
使用月 3月 4月 5月 6月
再エネ賦課金単価 1.4円/kWh 3.49円/kWh 3.49円/kWh 3.49円/kWh
北海道電力(従量電灯C) 60,853 63,988 66,538 69,238
東北電力(従量電灯C) 50,979 54,114 56,664 59,364
東京電力(従量電灯C) 51,782 54,917 57,467 60,167
中部電力(従量電灯C) 48,486 51,621 54,171 56,871
北陸電力(従量電灯C) 46,255 49,431 52,015 54,751
関西電力(従量電灯B) 41,063 44,198 46,748 49,448
中国電力(従量電灯B) 47,443 50,578 53,128 55,828
四国電力(従量電灯B) 46,477 49,612 52,162 54,862
九州電力(従量電灯C) 43,267 46,402 48,952 51,652
沖縄電力(従量電灯) 50,087※1 53,222※1 56,972※2 60,722

※1 沖縄電力は、国による「電気料金激変緩和対策事業」に加え内閣府ならびに沖縄県による「沖縄電気料金高騰緊急対策事業(沖縄料金対策)」により、値下げ額は5.0円となります。
※2 沖縄電力は、国による「電気料金激変緩和対策事業」に加え内閣府ならびに沖縄県による「沖縄電気料金高騰緊急対策事業(沖縄料金対策)」により、値下げ額は2.5円となります。

まとめ

再エネ賦課金の上昇に加え、値下げの終了により、4月電気代と比較し7月電気代は1kWhあたり5.59円と少なくない負担増となります。より効率的な電力利用が求められます。

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