資源エネルギー庁より、2015年7月末時点の再生可能エネルギー設備認定・運転開始状況が公表されました。
2015年6月30日で利潤配慮期間が終了し、7月から10kW以上の太陽光発電の買取価格が2円下がりましたが、その影響があるでしょうか。
太陽光発電の認定・運転開始状況のまとめをご紹介します。
10kW未満の太陽光発電設備
10kW未満の太陽光発電設備は、新たに98,546kWの設備が認定され、累計は4,050,700kWとなりました。
単月の認定件数としては、4ヶ月ぶりに2万件を超える認定件数となりました。
7月は新設住宅着工戸数が7.8万戸と前年同月比7.4%増となり、消費税増税前の駆け込み需要の反動による減少の影響が薄れてきたと見られています。
こうした新規住宅着工の回復が10kW未満の設備が増えることにつながっていると思われます。
10kW以上の太陽光発電設備
10kW以上の太陽光発電設備は、523,555kW減少し、累計の認定容量は78,003,553kWとなりました。
認定容量の減少量としては過去最大の大きな減少となりました。
設備容量別に見てみますと、
50kW未満 | +62,600kW | (+3,122件) |
---|---|---|
50kW以上500kW未満 | -35,732kW | (-130件) |
500kW以上1,000kW未満 | -53,689kW | (-79件) |
1,000kW以上2,000kW未満 | -145,114kW | (-96件) |
2,000kW以上 | -351,619kW | (-15件) |
となり、50kW以上の高圧案件で減少していることが分かります。
これは認定失効や辞退が進んでいることも理由の1つと思われます。
2014年度からは50kW以上の太陽光発電設備は、失効期限付の認定となっています。
設備認定から180日(最大で360日まで延長あり)以内に設置場所及び設備の確保を証明する書類の提出がなければ、その認定が失効するというものです。
失効以外にも、系統連系にかかる工事費負担金が想定より高額だったなどの理由により、事業自体を断念するケースも考えられます。
また6月で利潤配慮期間が終了し、10kW以上の買取価格が「29円+税」から「27円+税」に下がったことによって、新しい申請が減少していることも考えられます。
認定取消、認定失効の背景や経緯は以下のページで紹介しています。
50kW未満の設備も認定取消?資源エネルギー庁委員会資料から
稼働率は上昇
7月に新しく運転開始をした設備は以下のとおり。
10kW未満:65,136.2kW(13,607件)
10kW以上:69,3291.8kW(11,024件)
累計では10kW未満は767,731件、10kW以上は328,422件となりました。
認定件数にしめる稼働済み設備の割合(稼働率)は以下のとおり。
10kW未満:84.9%
10kW以上:39.5%
昨今太陽光発電設備の認定済み・未稼働の案件が多いことが課題として議論されています。
少しずつ稼働率が上がってはいますが、10kW以上ではいまだ60%以上の設備が「認定済み・未稼働」の状況で、今後も事業実施の可能性が低い案件は認定取消・失効が進められると思われます。