街中のビルの屋上などで風車を見かけることが多くなりました。
風力発電は風が吹いていれば夜間でも発電でき、規模によっては発電コストも割安となるため、今後実用化がさらに進むことが予想されていますが、風車にはさまざまな種類があることをご存知でしょうか?
今回は、風車の形状や特徴についてお届けしていきます。
回転軸の方向でタイプが分れる
風車は大きく分けると「水平軸風車」と「垂直軸風車」の2つのタイプに分かれます。
水平軸水車
風車の回転軸が地面に対して水平となるものです。このタイプのものはプロペラ式、セイルウィング式、オランダ式、多翼式などです。
構造が分かりやすく、大型化に向いています。なかでもプロペラ式風車は発電に適している形状です。
プロペラ式風車
羽根の数が少ないほど高速回転しますが、バランスを考慮して3枚の羽根が主流です。高速回転する反面、騒音が大きいことや首ふり運動の分で効率ロスも生じやすいです。
大型のものでは羽根の直径が70mくらいのものがあり、山上や海洋上での設置が見られます。
オランダ式風車
羽根は木製で障子の格子のようになっていて布を巻いて風を受ける形です。4~6枚の羽根を風力で回し、そのエネルギーを揚水ポンプの駆動に利用したりします。
多翼式風車
羽根の枚数が多いのが特徴で、アメリカ中西部の農家を中心に揚水用として用いられてきました。回転数が低いものの、力は強く音は静かなタイプです。修理が容易ということで海外でのボランティア活動で中小形の揚水動力源として活用されています。
垂直軸風車
風車の回転軸が地面に対して垂直になるものです。ダリウス式、サボニウス式、パドル式などがこのタイプに属します。
どの方向の風も利用できるので風向を選びません。
ただし、水平軸風車と比べて効率が悪く、設置面積を大きく取るという特徴があります。
ダリウス式風車
発明者の名前を採ったもので新しいタイプの風車です。
羽根は2~3枚を使用し風速の数倍以上の風速度で回転するため、風力発電に適しています。
サボニウス式風車
発明者の名前から名付けられました。円筒を縦に2分割した形状の羽根を風が受けられるように位置をずらして置きます。通り抜ける風が筒の内側に回り、その跳ね返りがもう一方の筒の内側に流れ込む構造です。回転方向に押す作用と向かい風の抵抗を抑える力が働き、回転効率を上げます。
風力発電でプロペラ式やダリウス式が主に使われています。これはパワー係数や風力比といった数値が他のタイプに比べて高いためです。より効率的に回転し、エネルギーに変えることが可能であることを示しています。
固定価格買取制度に基づき、今後住宅に設置する小型風力発電をご検討される方もいらっしゃるのではないでしょうか。風車の種類を知っておくことは設置の参考になるはずです。