太陽光発電において発電効率が高いとされているものに、追尾式タイプがあります。追尾式の太陽光発電には従来の固定式のもと比べてどのくらい発電効率がいいのでしょうか。
今回は追尾式太陽光発電のメリットや注意点を紹介します。

追尾式太陽光発電とは

追尾式太陽光発電は、太陽の経路を追いかけることができる発電方法です。
太陽の位置は時間帯や季節によって変わるため、太陽光の注がれてくる方角も年間通して常に変化しています。

一定方向にしか向かない固定式の太陽光発電では、注がれる太陽光の量にムラが出ます。そのため発電量にも限界がありますが、追尾式ではトラッキングシステムにより常に太陽の位置を算出し追尾するので、固定式と比べて約1.4倍~1.5倍の量を発電できるのです。

追尾式太陽光発電の種類

1軸追尾式

1軸追尾式イメージ東西方向に太陽を追尾する方式。日が昇る朝は東へ向き、日が高くなる昼間は水平に、日が沈む夕方は西方向へと、1日の太陽の動きを追尾します。
固定されたパネルと比べ15%〜20%ほど発電量が多くなると見込まれます。

2軸追尾式

2軸追尾式イメージ1日の太陽の動きを追尾するのに加え、季節による太陽の角度も追尾する方式。最適な角度で太陽光がパネルにあたるよう調整されるため、固定されたパネルと比較して30%〜50%ほど発電量が増加すると言われています。

追尾式のメリット

追尾式太陽光発電には、発電効率が高いという以外にも以下のようなメリットがあります。

省スペース

基礎部分の面積が少なくて済むため、太陽光パネルの下を農作物の栽培や駐車場などに活用でき、土地を有効活用できます。

営農地や耕作地に設置できる

追尾式であれば、日当たりが遮られるということも少なくなりますし、耕作機械もパネルの下を行き来できるので、営農地や耕作地に向いていると言えるでしょう。

悪天候に対応できる

固定式の場合、大雪が降ってしまうとパネルの上に積雪して、うまく発電できないということがありました。しかし、追尾式のものであれば積雪時にはパネルを垂直に近づけ積雪を防ぐことができます。また、強風のときにはパネルを水平にするなど、厳しい気候条件にも対応することが可能です。

従来の固定式よりも発電効率が高く、なおかつ省スペース、気候条件にも対応できるなどのメリットに富んだ追尾式太陽光発電。
ただし固定されたパネルと比較すると導入コストも高くなりますので、コストと収益のバランスを踏まえて事業計画を立てることが大切です。
狭い土地に設置する場合や、営農と太陽光発電の両立を検討されている場合は追尾型も検討してみてはいかがでしょうか。

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