2012年に固定価格買取制度(FIT)が始まってから、太陽光発電が急激に広がりましたが、太陽光パネルが寿命を迎える20〜30年後には大量の使用済みパネルが排出されます。
2015年の排出量は2400トンであるのに対し2040年になると約80万トンの太陽光パネルが排出されると見込まれています。
太陽光発電はCO2を排出しない発電ですが、適切なリサイクルがされないと環境に優しいとはいえません。まだまだ先と言わず今から考えておきたい太陽光パネルのリサイクルについてご紹介します。

リサイクルが重要視される太陽光パネル

将来、80万トンになると言われている廃棄される太陽光パネル。現在では太陽光パネルをアルミやガラス、金属資源などに分解し、リサイクルする方法も浸透してきています。
太陽光パネルを精密に分解できるようになれば、太陽光パネルのほとんどを別の素材にしてリサイクルすることが可能となり、排出量を減らすことが可能です。
しかし、太陽光パネルのリサイクル事業には細かい法律などが定められていないため、太陽光パネルを回収するルートや法律の整備が大きな課題となっています。

リサイクルの流れ

太陽光パネルのリサイクルは原則としてガラスや金属など、素材としてリサイクルすることが推進されており、リサイクルの流れは一般的に次の流れで行われます。

  1. 太陽光パネルを解体
  2. 選別して、リサイクルできるものとできないものに分ける
  3. 再資源化できるものをリサイクルへ、再資源化できないものを適正に処分する

以上の過程で選別された金属は、非鉄製錬事業者によって活用され、有害物質も適正に処理することができます。

リサイクル方法

太陽光パネルのアルミフレームを取り外し、太陽電池モジュールを粉砕して選別を行います。太陽電池モジュールを粉砕した後にガラスの除去を行いますが、この際、篩(ふるい)選別や風力選別にて粒の大きさを分けるのが一般的です。
また、設備によってはさらに選別することが可能です。湿式比重選別機(RETACジグ)がある工場の場合は、先の工程を行ったあとさらに物質の比重の違いを利用して選別します。この方法を利用することで、低コストで大量処理が可能になります。

環境省の定めるガイドラインとは

太陽光パネルの廃棄の問題はその廃棄の量だけでなく、損壊したパネルによる土壌汚染や感電の可能性、事業者同士の競争激化による倒産事業者の増加などが問題視されています。
このような背景から、環境省は問題を防ぐための留意事項や、適正な処分のための法律をまとめた「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン」を平成28年3月に策定しました。

太陽光パネルのリサイクルでは、主に太陽光発電メーカーや、建物解体業者、建設業者などから廃棄された太陽光パネルを回収・分解し、ビジネス展開している企業もあります。一方で再利用ビジネスを展開しているものの、リサイクルはまた別の業者に引き渡すという業者も多くあります。
現在の日本では太陽光パネルのリサイクルはまだ少量であり、今後太陽光パネルの廃棄物が増えると予想される2040年に向けて、リサイクルの社会システムの構築やリサイクル技術の低コスト化などさまざまな環境整備を必要としているのです。