2021年6月18日に経済産業省から「グリーン成長戦略」を具体化した内容が発表されました。
この戦略に基づき、予算、税、金融、規制改革・標準化、国際連携などの政策が実施されます。
グリーン成長戦略とは何かというご説明と、太陽光発電関連の内容をご紹介します。

グリーン成長戦略とは?

2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを目標とする「2050年カーボンニュートラル宣言」が昨年10月に発表されました。この高い目標を達成するためには、各分野において並々ならぬ努力が必要となります。
またグローバル市場においては、ESG投資など環境関連の投資が大きな存在となっており、政府だけではなく産業界においても変革の必要に迫られている時代であるといえます。

国が具体的な見通しや高い目標を掲げることで、カーボンニュートラルの実現に向けた企業等の取り組みをうながし、応援するために策定されたのが「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」です。
具体的には、14の重要分野を設定し、着実に実施されるよう、各分野ごとに実行計画、工程表がつくられています。

成長が期待される14の重要分野

出典:2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略

エネルギー関連産業

①洋上風力・太陽光・地熱(次世代再生可能エネルギー)、②水素・燃料アンモニア、③次世代熱エネルギー、④原子力

輸送・製造関連産業

⑤自動車・蓄電池、⑥半導体・情報通信、⑦船舶、⑧物流・人流・土木インフラ、⑨食料・農林水産業、⑩航空機、⑪カーボンリサイクル・マテリアル

家庭・オフィス関連産業

⑫住宅・建築物産業・次世代電力マネジメント産業、⑬資源循環関連産業、⑭ライフスタイル関連産業

太陽光発電はどんな戦略?

太陽光発電は、
自家消費や地産地消を行う分散型エネルギーリソース(DER)としても、
レジリエンスの観点でも活用が期待されており、
カーボンニュートラルの実現に向けては、更なる導入拡大が不可欠、
と位置づけられています。

グリーン成長戦略太陽光発電の工程表

出典:2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略

現状の課題と今後の取組

技術的な課題

・耐荷重の小さい既築の建築物へは設置しにくい。
・壁面への設置が難しい。
 →ペロブスカイト太陽電池など、既存の建物や壁面にも設置しやすいパネルの研究開発、実証

・変動する電源が増加すると、電力システムの慣性力が低下する。
 →慣性力を提供する次世代インバーターや系統制御方式の技術開発

関連産業の課題

・FIT制度による支援から自立することが必要。
 →2022年4月にはFIP制度を導入。再エネ発電事業者にも電力需給を意識させる取組を進め、電力市場への統合を促す。

・FIP制度を利用する発電事業や、卒FIT事業者の太陽光の活用するビジネスなど、新たなビジネス形態の創出・拡大が必要。
 →海外先行事例も参考にしつつ検討を進めること等により、アグリゲーションビジネスの活性化を促す。

・蓄電池価格の高止まり
 →価格目標を要件化した導入促進や、製造設備への投資促進、調整力等の提供技術の実証等を進める。

・導入者の初期負担の軽減
 →PPAモデルやオフサイトPPAモデルを活用した先進事例を創出、横展開し拡大を図る。

適地確保の課題

・安価に事業が実施できる適地が不足している
・自然環境や景観の保全を目的とした再エネ発電設備の設置に抑制的な条例(再エネ条例)を制定する自治体が増加している
→改正地球温暖化対策推進法(改正温対法)においては、自治体が地形や地元の合意などの条件を満たす「促進区域」を定め、許認可の手続きのワンストップ化、簡略化などで再エネ導入が優遇されることが追加されました。

・再エネ導入に適した農地における営農型等を拡大策
→営農が見込まれない荒廃農地への再エネの導入拡大や発電と営農が両立する営農型等による導入の拡大を進める。

・系統容量が確保できない
→ローカル系統におけるノンファーム型接続の試行的な実施。
→系統増強についても検討を進めていく。

参考: