スマートメーターとは、デジタルで電力量を計測し、通信機能を備えた新型の電力量計のことです。30分ごとの電力使用量を計測することができ、また遠隔でその情報を取得することが可能です。

電力量計(アナログメーター)

KENPEI, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

従来型のメーター(アナログメーター)

従来型のメーター(アナログメーター)は回転する円盤が搭載されていて、回転式の文字盤で電力量(kWh)を表示します。

スマートメーター

Darklanlan, CC BY 4.0, via Wikimedia Commons

スマートメーター

スマートメーターでは円盤はなく、電力量(kWh)も液晶画面に表示されます。

スマートメーターの普及率

2019年3月時点で、5,182万台設置済みで、これは全体の63.7%にあたります。
電力量計(メーター)は電気代請求に関わるものですから、検定を受け正確に計測されることが保証された機器が使用されます。検定の有効期限は10年で、期限内に新しいメーターに交換されます。現時点でアナログメーターが使用されていても、徐々にスマートメータへと交換されていき、2024年にはすべての電力会社がスマートメーターへの移行が完了する予定でメーター取替が進んでいます。

各電力会社のスマートメーター導入計画

出典:電力データの有効活用について(資源エネルギー庁)

スマートメーターでできること

自動検針

従来のアナログメーターの場合は、検針担当の職員が現地に出向き計器の数値を確認していましたが、現地に行かなくても使用量を確認できます。
電力会社(送配電)を経由して新電力へ検針データもできますので、電力会社切替の際にスマートメーターに交換されることも多いです。

得られる電力データ

  • 電力使用量
  • 逆潮流値
  • 時間(30分ごと)
  • 場所(供給地点特定番号ごと)

遠隔開閉、アンペア設定

遠隔地から電気の使用開始、使用停止の設定が可能。また契約アンペア数の変更も遠隔操作で済みます。

電力データの新たなサービスへの活用

30分単位という短い期間ごとの電力量を把握できるため、電力使用量の見える化サービスなどへ活用されています。

スマートメーターは誰の負担で設置されるものか

アナログメーターからスマートメーターへの切替が進みますが、これは電力会社が費用負担して設置されます。
メーターは設置される建物オーナーの所有物ではなく、電力会社の所有物ということになります。

スマートメータのAルート、Bルート、Cルート

通信機能を備えたスマートメーターですが、通信のやりとり先(ルート)によって「Aルート」「Bルート」「Cルート」の3つのルートがあります。

スマートメーターおよび関連システムの全体像

出典:スマートメーター導入促進に伴う課題と対応(案)| 経済産業省 スマートメーター制度検討会(第14回)配布資料

Aルート

スマートメーターと電力会社をつなぐネットワークです。電力会社が検針値を取得したり、接続・切断などの遠隔操作をするためのルートです。

Bルート

スマートメーターと建物内の機器をつなぐネットワークです。エネルギー管理システム(EMS)によって、電力使用量・電気料金などの「見える化」や、機器の制御が行えます。

Cルート

電力会社がAルートで得たデータを他社に提供するためのネットワークです。電力会社を経由して小売電気事業者などにデータが送られます。新電力の料金計算などに使われています。

Aルート、Bルート、Cルートについては以下の記事でもご紹介しています。
スマートメーター導入前に知っておきたい!Aルート・Bルート・Cルートとは?

今後期待されるスマートメータの活用方法

スマートメータで得られるデータは、

  • 電力使用量
  • 逆潮流値
  • 時間(30分ごと)
  • 場所(供給地点特定番号ごと)

と、リアルタイム性、確度・精度の高いデータである特性から、様々な産業で新たなサービス創出が期待されています。
以下一例をご紹介します。

防災計画の高度化

スマートメーターのデータにより、地域においての避難所が充足しているのかなどを自治体が把握でき、対策を講じることができる。
※転入届が必ずしも提出されているわけではなく、住民票で把握するのでは不十分なケースもあり、実際に住んでいる人の把握を助ける。

災害時の的確な避難誘導

住民が避難すべきかどうかの判断ができなくても、自治体が避難状況を把握でき、避難を促したり、避難の補助ができる。

災害時の稼動店舗等の把握

災害の際、稼働しているコンビニエンスストアやガソリンスタンドが分からないと、いくつもの店舗を回る必要があるが、予め稼動しているかどうかの情報が分かる。
また常に電力が必要とされる病院において、電力が確保できていない病院の把握ができ、電源車の配備などが迅速に行える。

見守りサービス

遠く離れて暮らす家族(実家の親世帯など)が、いつもどおり暮らしているかを知ることができ、いつもと違うことを察知した場合にすぐ連絡を取るなどして、早期に確認することができる。

配達の効率化

在宅している時間に荷物を届けられる。再配達を依頼する手間など住民の手間が省け、配達事業者にとっても効率的。

スマートメーターによる電力データの活用方法の一例をご紹介しました。
個人として便利なことから、地域全体の安心につなげられることまで、社会課題解決のため電力データの様々な活用が期待されています。

一方データのセキュリティの徹底など消費者保護のためのしくみづくりも不可欠です。国による厳格な監督がされた上で、電力データ利活用のアイデアが実用化することが望まれます。

参考:
電力データの有効活用について | 資源エネルギー庁(2020年3月)
次世代スマートメーターに係る検討について | 資源エネルギー庁(2020年9月)