太陽光電池の施工に係わる認定制度には、2012年に創設された「PV施工技術者制度」というものがありました。PV施工技術者制度運営センターによる6度の試験実施によって、2016年までに3000人近い「PV施工技術者」が生まれています。
しかし再生可能エネルギーの固定価格買取制度の影響で、太陽光発電は大きく市場を広げ、太陽光発電の環境も著しく変わってきました。その変化に対応するため、一般社団法人太陽光発電協会は、「PV施工技術者制度」を見直し、PV技術者の資格制度として、「PVマスター施工技術者」と「PVマスター保守点検技術者」を創設しました。
PVマスター施工技術者とは
PVマスター施工技術者とは、従来のPV施工技術者制度において対象にしていた住宅用のものに加え、地上設置を含んだすべての太陽光発電設備の施行を担えると認定された技術者のことです。
一般社団法人太陽光発電協会(以下、JPEA)が認証している研修機関においてPVマスター施工技術者研修を修了することで、認定試験を受験できるようになります。
PV施工技術者の資格保有者は、新たに追加される領域を学習することによって、PVマスター施工技術者にステップアップ可能です(またオンラインの認定試験に合格すれば新たにPVマスター施工技術者として認定されます)。
PVマスター保守点検技術者
PVマスター保守点検技術者は、「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」(日本電機工業会・JPEA技術資料として2016年に制定)や、改正FIT法の事業計画策定ガイドラインで義務付けられた太陽光発電設備の保守点検に関する知識や技術を習得したと認定された技術者のことです。
認定試験受験用のテキストなどを使った独学による受験も可能となっており、また受験のためのセミナーも随時開催が予定されています。
ただし、受験するにはJPEAが認定するPV施工技術者、PVマスター施工技術者、および電気主任技術者、電気工事の資格を所有している必要があります。
PVマスター保守点検技術者の第1回認定試験
JPEAは、2018年の2月25日、全国4会場でPVマスター保守点検技術者の第1回認定試験を実施すると発表しました。
4か所の試験会場は以下のとおり。
- 共和フォーラム(東京都台東区)
- IMYホール(愛知県名古屋市東区)
- JEC日本研修センター江坂(大阪府吹田市)
- リファレンス駅東ビル(福岡県福岡市博多区)
試験は、「太陽光発電の基礎(基本原理や構成機器など)」、「太陽光発電システムの設計と試行(屋根、地上設置)」、および「太陽光発電システムの保守点検、関係法令の手続き」に関し、『太陽光発電システムの設計と施工改訂5版』の内容の範囲から出題されます。受験料は1万2960円(税込み)。
受検受付は2017年11月ごろからJPEAのホームページにて開始する予定です。
各会場で受験に向けたセミナーを開催予定。各会場のセミナー開催予定日は以下のとおりです。
- 東京会場 2017年12月1日、11日
- 名古屋会場 2017年11月28日
- 大阪会場 2017年12月4日
- 福岡会場 12月6日
受講時間はそれぞれ4時間、受講料は1万2960円。受講申し込みについてはJPEAホームページにて2017年10月初旬に受付開始予定です。
FIT法の改正などにより、太陽光発電にまつわる環境は大きく変化しつつあります。その変化に対応するためのPVマスター施工技術者とPVマスター保守点検技術者。
詳しい情報はJPEAホームページにて随時更新される予定です。