2023年4月から、一部の電力会社では高圧・特別高圧の標準的なプランの電気料金に電力市場の値動きを反映する「市場価格調整額」が組み込まれています。
2023年10月には九州電力も新規需給開始の需要家に対して適用しはじめ、2023年10月時点で大手電力のうち7社が導入しています。
電気料金に直結する市場価格調整についてご紹介します。

市場価格調整を導入している大手電力会社(2023年10月時点)

  • 北海道電力
  • 東北電力
  • 東京電力エナジーパートナー
  • 北陸電力
  • 中部電力ミライズ
  • 中国電力
  • 九州電力

市場価格調整を行う場合の電気料金の内訳

市場価格調整とは、卸電力取引市場における市場価格の変動を電気代に反映させるしくみです。
電力会社ごと・月毎に市場価格調整単価が設定され、電力使用量に応じて、電気料金の一部として支払っています。
市場価格調整を行う場合の電気料金の内訳

市場価格が上がれば電気料金も上がるしくみ

電力会社ごとに基準となる「基準市場価格」が設定されています。
電力市場価格の実績から算出される「平均市場価格」が
基準市場価格より高ければ「市場価格調整単価」が上がり、
基準市場価格より安ければ「市場価格調整単価」が下がる

というしくみです。

なぜ市場価格と連動するのか

電力会社は供給する電力のうち1〜2割は卸電力取引市場から電力を調達しています。
2023年後半の市場価格の月平均は10〜13円/kWhほどと落ち着いていますが、2022年中頃は25円/kWhほどで推移していました。
市場価格は需給の逼迫で高騰することもあります。卸電力取引市場における市場価格の変動を迅速に電気料金に反映させ、事業者の経営環境の安定を図るという目的で実施されています。

電気代の上昇につながるか

2022年の下旬に電気代が上昇したことは記憶に新しいですが、これは燃料費上昇により燃料費調整単価が上昇したことが要因です。
市場価格は電力の需要と供給が逼迫する際に上昇します。
燃料高かつ需給が逼迫する局面では、燃料費調整単価、市場価格調整単価の両方が上がることになります。
電力の消費量が多い高圧、特別高圧の需要家にとっては、影響が大きくなるでしょう。

※本記事の情報は投稿した時点のものであり、閲覧されている時点で変更されている場合がございます。あらかじめご承知おきください。