太陽光発電をおこなう際に発生する可能性のある「ホットスポット」という現象をご存知でしょうか。
太陽光発電システムのパネル部分には駆動部分というものがないため、基本的にメンテナンスの必要はありません。しかし、落ち葉などがパネルに付着しその部分に影ができてしまった場合、その箇所が発熱することがあります。それが「ホットスポット」現象です。
「ホットスポット」ができてしまうと、セルが破損するなどの問題が発生するため、注意する必要があります。
ここでは、太陽光発電における「ホットスポット」についてご紹介します。
ホットスポットとは
まずはホットスポットができる原因と、その場合の問題点についてご紹介します。
前述のとおり、ホットスポットは太陽光パネルの一部分が落ち葉や鳥のフンなどの付着物の影により、長期間発電できない状況が続くことで発熱してしまう現象のことです。
太陽光で発電する部分は、専門的には「太陽電池モジュール」と呼ばれています。このモジュールは「セル」という小さな半導体の集合体です。セルは電極でつながっており、発電された電気はセルの中にある電線を通って流れることになります。
セルの中を流れている電気が何らかの原因で流れにくくなると、抵抗が大きくなって電気が流れにくくなります。流れにくくなった電気は電流を熱に変換して放射し、それがホットスポットを生むことになるのです。
ホットスポットにより熱を帯びたセルはやがて焼けてしまい、モジュールが正常に動かなくなってしまうこともあります。
ホットスポットはどうやって探せばいいの?
ホットスポットが長期間続くと、発電量の低下が起こり、最悪の場合は発火の恐れがあります。ホットスポットができたら、すぐに何らかの対処をする必要があるのです。
では、どのようにしてホットスポットを見つければいいのでしょうか。
ひとつの方法に、赤外線サーモグラフィを利用する方法があります。
現在ではパネル設置後の定期的な予知保全検査の中に、非冷却赤外線サーモグラフィを利用していることが多く、カメラ自体も手軽なハンディタイプになっています。そのため、簡単にパネル上のホットスポット、またはホットスポットになる可能性のある場所を見つけ出すことができます。
ドローンで空撮する方法もある
ハンディタイプのカメラで太陽光パネルを撮影する方法は、手軽で確実な方法ではあるものの、パネルが大きかったり、数が多かったりした場合には非常に手間になります。結果として、ホットスポットを見落としてしまうという可能性があります。
そのような問題への対策として活用されているのがドローンです。ドローンに赤外線サーモグラフィカメラを搭載し、高い位置からパネル全体を空撮します。そうすることで、メガソーラーなどのような大規模な施設であったり、数が多かったりする場合でも確実にホットスポットを見つけることが可能になるのです。
ドローンの操縦から画像の解析までを自動でおこなう業者もあるなど、より合理的かつ正確にホットスポットを検知することができるようになっています。
電気が詰まりその部分に熱が発生して太陽光発電システム全体に不具合を発生させるというのは、血管が詰まって人体全身に不具合が生じることと似ています。効率よく安心安全に太陽光発電をおこなうには、日ごろからホットスポットが発生していないか確認したり、ホットスポットが生じそうな場所がないかきちんと把握したりする必要があると言えるでしょう。