2017年、太陽光の固定価格買取制度の改正により、事業用太陽光発電の認定方法に入札制度が導入されます。従来までの固定価格買取制度では、太陽光などの再生可能エネルギー導入の促進にはなったものの、それよる国民負担の増加が懸念されていました。
そのような課題を解消すべく施行された改正固定価格買取制度により導入された入札制度ですが、話には聞いたことがあっても、実際どのようなものなのか知らないという方もいらっしゃると思います。
今回は2017年より導入された太陽光発電の買取価格の入札制度の概要と、募集内容、2017年度のスケジュールについてご紹介します。
入札制度の概要
2012年から始まった固定価格買取制度(FIT)により、太陽光をはじめとする再生可能エネルギー発電設備の導入量が、制度開始後4年で2.5倍にまで増加しました。しかし、導入量が増える一方で、「導入が太陽光に偏っている」「未稼働の太陽光案件が多い」「国民負担の増大」など、いろいろな課題が浮上しました。
それらの課題を解消するため施行されたのが、2017年4月に「改正FIT法」です。未稼働案件を防止するための新認定制度の創設を始めとし多くの制度が導入され、その中のひとつに「入札制度」があります。
対象に指定された再生可能エネルギー発電設備について、調達価格を入札によって決定するというもので、当面の間は事業用の太陽光発電が対象になるとされており、1kWhあたりの価格と発電出力について入札されることになる予定です。
改正法では、入札制度の導入と同時に、電源ごとの中長期的な価格目標を設定することにもなっており、それによって事業者の努力やイノベーションにかかるコストの低減を図っています。
募集内容
2017年度の入札における募集内容は以下のようになります。
①発電設備の区分
2000kW以上の太陽光発電設備
②募集容量
2017年度の入札では合計500MWの太陽光発電設備
③入札参加資格
あらかじめ指定入札機関である低炭素投資促進機構に事業計画を提出して審査を受け、基準に適合すると認められることが必要。
④供給価格上限額
入札できる上限価格は21円/kWh
⑤調達価格
調達価格の決定方式は「ペイ・アズ・ビッド(Pay as bid)」を採用(事業者が応札した価格のうち、低い順に確定させていく入札方法)
落札した調達価格の額は、落札者が入札した額に消費税、また地方消費税額を加えた額
⑥調達期間
20年間(認定を受けた日から起算し3年経過までに運転を開始しなければその日を超過した期間分、調達期間は短縮)
2017年度 スケジュール
2017年度のスケジュールは以下のようになります。
日程 | 内容 |
---|---|
6月30日 | 入札実施要綱を公表 |
7月10日~9月15日 | 事業計画受付 |
8月半ば~9月22日 | 手数料の納付受付 |
7月10日~10月13日 | 事業計画の審査 |
審査終了後随時~10月18日 | 入札参加資格の有無の通知 |
10月20日~11月9日 | 第1次保証金の納付受付 |
10月27日~11月10日 | 入札募集 |
11月21日 | 入札結果の公表 |
11月21日~11月27日 | 落札者への通知 |
11月21日~12月5日 | 第2次保証金納付受付 |
~2018年2月16日 | 落札案件の認定申請補正期限 |
~2018年3月5日 | 落札案件の認定期限 |
以上が改正FIT法により導入された入札制度の概要と、募集内容、2017年度のスケジュールです。入札制度に関心がある太陽光発電事業者の方は、ここで紹介したことを参考にしてみてください。