九州電力から発電事業者さん宛に「出力制御運用方法の変更(一律制御への移行)に関するお知らせ」という手紙が送られました。
九州電力管内で出力制御対象となっている太陽光発電設備のうち、一部の設備は2021年度から制御の回数が激増するかもしれません。4月からの変更内容をご紹介します。

変更内容

対象:九州電力管内の「指定ルール事業者」
制御方法:従来「交替制御」→ 今後「⼀律制御」に変更
変更時期:2021年4月1日

※この記事では、太陽光発電の出力制御についてご説明します。
風力発電などはルールが違う場合もありますので、九州電力のホームページなどで情報をご確認ください。

【九州電力管内】太陽光発電の出力制御基礎知識

まずは「指定ルール」や「交替制御」「一律制御」といった用語を簡単にご説明します。

「指定ルール」と「旧ルール」

九州電力管内の太陽光発電の出⼒制御ルールは、「指定ルール」「旧ルール」の2種類があります。

基本的には
2015年1月25日までに連系承諾を受けた事業者が「旧ルール」、
2015年1月26日以降に連系承諾を受けた事業者が「指定ルール」となります。
※旧ルールの500kW未満、指定ルールの10kW未満の設備は、現時点では出力制御の対象となっていません。

旧ルールの年間出⼒制御回数の上限は30日と決められています。
指定ルールは無制限の出力制御を受け入れることを条件に接続しています。

また指定ルールでは、
・出力制御ユニット
・インターネット回線
を発電事業者負担で導入し、遠隔出力制御を行う「オンライン制御」が求められます。
(インターネットがつながらない地域など一部例外を除く)
九州電力 太陽光出力制御区分
※まず10kW以上の制御を行った上で、それでもなお必要な場合において、10kW未満の案件に対して出力制御を行うと整理されており、当面は対象外となる見込み。

「交替制御」と「一律制御」

2020年度までは「指定ルール」「旧ルール」のいずれも「交替制御」で出力制御が実施されています。
交替制御では、制御する事業者を輪番で選定し、年度単位で制御日数が同等になるよう、交替して制御を行なっています。
制御が実施される時間は100%制御(売電できない)となります。
旧ルールの事業者は2021年度以降も引き続き「交替制御」が実施され、出力制御日数の上限である30日を最大限活用するよう配分されます。

一方「一律制御」は、指定ルール全事業者を対象とし、一律に同じ制御パターン(同じ時間、同じ制御%)の制御を実施するものです。
制御が実施される時間の必要な制御%が当日に指示され、例えば100kWの設備が30%制御する場合は、70kWを上限に制御されることになります。
2021年度からは指定ルールは「一律制御」へ切り替えられます。

交替制御と一律制御

出典:2021年度の再エネ出⼒制御に向けた対応について | 九州電⼒送配電株式会社

なぜ切り替えられるのか?

出力制御がはじまった当初からの運用方法として、

旧ルール事業者の年間出⼒制御日数が30日に到達するまでは、「指定ルール」も「旧ルール」も「交替制御」を行い、旧ルール事業者の年間出⼒制御日数が30日を超過する⾒込みの場合は、「指定ルール」は「一律制御」へ切り替える

というルールがありました。

2021年度の出力制御量をシミュレーションした結果、旧ルール事業者の年間出⼒制御日数が30日を超過する見込みとなったため、指定ルールが一律制御へ切り替えられることとなりました。

2021年度の出力制御量シミュレーション結果

出典:2021年度の再エネ出⼒制御に向けた対応について | 九州電⼒送配電株式会社

一律制御は制御される回数が増える

これまで指定ルール事業者も交替制御であったため、出力制御が実施される日も、順番が回ってくるまでは制御されず、制御回数は抑えられていました。
しかし一律制御へ切り替わると、制御実施日には毎回制御されることとなり、制御回数が激増することが見込まれます。

九州電力の試算によると、指定ルールの2021年度の出力制御は、
%制御実施回数が60回程度、
交替制御に相当する「定格容量の100%になる回数」に換算すると20回程度
になるようです。
※2019年度は15〜16回実施、2020年度は10〜15回の実施見込み

出力制御率(総発電量のうちの出力制御量の割合)は3.3%が予想されています。
※2019年度は3.3%、2020年度は1.4%見込み

制御される回数はかなり増えますが、出力制御率は一昨年程度ですので、現在予測されている制御内容であれば、容認しやすい量といえるのではないでしょうか。

出力制御ユニットとしても機能する「全量モバイルパックRS」をお使いの場合は、「PCS間発電量比較グラフ」で出力制御回数、制御時間、制御率などをご確認いただけます。
2021年度からは制御実施回数や制御時間だけでなく、制御率も併せてご確認されることをお勧めします。

参考:
経産省系統ワーキンググループ(第28回)資料 | 2021年度の再エネ出⼒制御に向けた対応について | 九州電⼒送配電株式会社