九州の指定ルールの太陽光発電関係者さんは、2021年度の出力制御にうんざりされているかもしれません。4〜6月ですでに35回の出力制御が実施されました。
2021年度から九州電力管内の出力制御運用方法が変更になったことを以前ご紹介しましたが、指定ルールの事業者さんの出力制御回数がかなり増えているようです。
公式の実績回数や制御時間を確認したいというお声にお答えし、確認方法をご紹介していきます。
九州電力管内の2021年度の出力制御実績(指定ルール・太陽光発電)
2021年の4〜6月の3ヶ月で35回の出力制御が実施されました。2020年は同時期の制御回数は4〜5回であったので、回数としては大きく増えていると言えます。
なぜ増えたのかというと、交替制御が一律制御になったから。
九州電力の出力制御方法が2021年度から変わります の記事をご参照ください。
今年度の累計回数の見方
九州電力送配電>でんき予報 に掲載されている「再生可能エネルギー出力制御見通し>出力制御等の考え方及び制御回数実績について」というリンクをクリックし、PDFを開きます。
今年度の累計回数を確認するには、ダウンロードした「再エネ事業者さまの制御回数実績(2021年度).pdf」を開きます。
2ページ目以降に実績が掲載されています。
日付、ルール区分/電圧階級、指示内容、1発電所あたりの累計制御指示回数が書かれた表があり、「1発電所あたりの累計制御指示回数」にルール区分ごとの累計回数が記載されています。
「指定ルール」の行を見ると、それまでの制御累計回数は「28回」と分かります。
一方、「旧ルール>特高>オフライン」は10回~11回、「旧ルール>特高>オンライン」は4回~5回といったように、同じ区分でも累計制御指示回数に幅があることが分かります。
指定ルールの設備は一斉に制御されますが、旧ルールは輪番制で選定された設備のみが制御されていることにより、時期によって設備ごとの累積回数が異なっているのです。
出力制御された対象の見方
九州電力送配電>でんき予報 に掲載されている「再生可能エネルギー出力制御見通し>出力制御等の考え方及び制御回数実績について」というリンクをクリックし、PDFを開きます。
出力制御された対象を確認するには、ダウンロードした「再エネ事業者さまの制御回数実績(2021年度).pdf」を開きます。
2ページ目以降に実績が掲載されています。
「旧ルール」の欄をみると、「今回指示対象発電設備数」がいずれも0ですので、こちらは出力制御がかからなかったと分かります。
「指定ルール」の指示内容部分が「最大制御率(定格出力に対する出力上限値%)20%」となっています。
これは出力制御が実施される時間帯には、定格出力の20%まで出力を制御するという意味で、例えば10kWの規模の発電設備の出力の上限を2kWに制御する、ということです。
次に5/10を例に見てみましょう。
「旧ルール」の欄をみると、「今回指示対象発電設備数」が特高オフラインに36、高圧オフラインに603と書かれていて、オンラインは0と書かれています。旧ルールはオフラインのみに制御がかかったということです。
「指定ルール」の欄を見ると「最大制御率(定格出力に対する出力上限値%)0%」となっています。
これは出力制御が実施される時間帯には、定格出力の0%まで出力を制御するという意味で、出力制御の実施時間中は売電できなかったことを示しています。
出力制御実施時間の確認方法
出力制御実施日は、まる1日売電できなかったというわけではありません。出力制御されている時間帯のみだけです。出力制御が実施された時間帯は、「出力制御指示内容」を見れば分かります。
九州電力送配電>でんき予報>「再生可能エネルギー出力制御見通し」>2021年度指示内容(九州本土:□月□日更新) というリンクをクリックし、PDFを開きます。
5/10の「再エネ出力制御期間」の欄を見ると8時00分〜16時00分となっています。
この期間はまちまちで、さらに長く7時30分~17時00分という日もあれば、もっと短い12時00分~15時30分という日もあります。
以上、九州電力管内の出力制御実績、実績の確認方法についてご紹介しました。ご参考になさってください。