電力広域的運営推進機関より、2016年6月30日までのスイッチング支援システムの利用状況が公表されました。
スイッチング支援システムの利用状況から、電力会社の切り替えがどれくらい申請されたかが分かります。
電力小売全面自由化から3ヶ月、最新の状況と推移をご紹介します。
スイッチングとは?
消費者が電力会社を切り替えることを指します。
スイッチング支援システムとは?
電力託送契約の切り替えに係る各種業務を支援するためのシステム。
広域的運営推進機関が運用しているシステムで、
- 小売電気事業者が、電力使用量情報や設備情報などの共通情報を検索し取得する
- 託送契約の開始・廃止などの一般送配電事業者への申込処理や、現在の小売電気事業者側の使用廃止を取り次ぐ
といった役割があります。
2016年6月30日までのスイッチング支援システムの利用状況
エリア | スイッチング件数 (単位:千件) |
前月比 (単位:千件) |
---|---|---|
北海道電力株式会社 | 63.2 | +17.3 |
東北電力株式会社 | 32.4 | +14.8 |
東京電力パワーグリッド株式会社 | 762.5 | +115.2 |
中部電力株式会社 | 83.7 | +19.7 |
北陸電力株式会社 | 3.1 | +0.8 |
関西電力株式会社 | 260.5 | +44.2 |
中国電力株式会社 | 3.2 | +0.7 |
四国電力株式会社 | 5.8 | +1.6 |
九州電力株式会社 | 50.0 | +14.6 |
沖縄電力株式会社 | 0 | +0 |
合計 | 1264.4 | +228.9 |
出典:スイッチング支援システムの利用状況について(6/30時点) | 電力広域的運営推進機関
6月30日までに126万4400件の電力会社切り替え申請がありました。
2015年度の一般家庭等の通常の契約口数が約6,253万件(経産省資料より)とのことですので、切り替え割合は約2%です。
2016年3月からの電力会社ごとの切り替え申請件数推移
電力会社切り替えの受付が始まった3月からの推移を見てみましょう。
グラフを見ると、右肩上がりに件数が増えていますが、4/1以降はそれ以前と比較して、伸びが鈍化していることが分かります。
また、東京電力、関西電力管内で大部分を占めていることが分かります。全切り替え申請のうち8割は東京電力、関西電力管内です。
契約口数が多いため、切り替え件数も多いと容易に推測できますが、それ以上に切り替え件数が多く見えますね。
※契約口数は「全契約口数内訳」の円グラフをご参照ください。
電力会社ごとの切り替え割合
切り替え件数は電力消費者の多い東京電力、関西電力が多いですが、全契約者数に占める切り替え割合でも見てみましょう。
経済産業省「電力調査統計 平成27年度」、電力広域的運営推進機関「スイッチング支援システムの利用状況について」より作成
割合で見ても東京電力、関西電力が多くなっています。
これは電力消費者が多いため新電力が参入しやすく、消費者の選択肢が増えたことが、切り替えにつながっているものと思われます。
北海道電力管内も、切り替える比率が高くなっています。
これは北海道電力の電気料金が他に比べて高いことから、電力会社や電力プランの乗り換え検討が進んでいるものと思われます。
参考: