どこまで上がる?太陽光発電の変換効率

国の再生可能エネルギーの取り組みによって、太陽光発電の技術も日々進化を続けています。太陽光発電においては、光エネルギーを電気エネルギーに変換する「変換効率」の向上が課題のひとつとなっています。NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、「太陽光発電ロードマップ(PV2030+)」において、太陽電池モジュールの変換効率を2017年で20%、2025年で25%、2050年で40%という具体的な開発目標を立てています。太陽光発電の変換効率の現状と技術的な課題を紹介します。

太陽光発電の種類と変換効率

一般に太陽光発電に用いられている太陽電池は「シリコン系」「化合物系」「有機系」の3種類があります。国内ではシリコン系が最も普及しています。「変換効率」とは、照射された太陽光エネルギーのうち、何%を電力に変換できるかを数値化したものです。

  • シリコン系太陽電池:製造方法によって「単結晶」「多結晶」「薄膜」の3タイプがあります。変換効率はそれぞれ、単結晶が20%程度、多結晶は15%程度、薄膜が10%程度です。市場では、単結晶と多結晶が普及しています。
  • 化合物系太陽電池:高価なシリコンではなく、銅、インジウム、セレン、ガリウムなどの化合物を使用します。低コスト化に向き、温度上昇のロスが少ないという特性があります。開発当初の変換効率は、シリコン系と比べて低かったのですが、大きく向上しつつあります。理論的な変換効率が高いため、向上の余地が大きいといわれています。
  • 有機系太陽電池:ベンゼンやチオフェンなどの有機化合物を使用します。大量生産が見込めるため、大幅な低コスト化に向いています。現在は研究レベルで耐久性と変換効率の向上が課題です。

変換効率向上への課題

太陽光発電のさらなる普及には、変換効率の向上が大きな課題です。一般的なシリコン系変換効率は、15~20%程度です。シリコン系太陽電池は、理論上29%の変換効率が限界といわれています。

課題はバンドギャップ

変換効率に大きく関わる要因に「バンドギャップ」があります。バンドギャップは物質の結晶体の中で「電子」が存在できない領域で、物質固有のものです。太陽光発電素子に用いられる物質では、バンドギャップの小さい方が変換効率が良くなります。シリコン系の物質が発電素子に使われるのは、シリコンのバンドギャップが小さいからです。
また、変換効率は光の波長、エネルギー、温度によっても変わります。光の波長では長い波長(赤外線領域)では変換効率が低く、短い波長(紫外線領域)では高い効率です。

さらなる変換効率の向上へ

現在広く使われている太陽電池は、バンドギャップが1つしかない「単接合型」のため、光エネルギーを十分に活用できていません。変換効率を向上させる解決法の1つとして、バンドギャップが違うインジウム、セレン、ガリウムなどの材料を積み重ねて幅広い光の波長に対応できる「多接合型」の化合物太陽電池があります。光エネルギーを効率よく電気エネルギーに変換する「高効率変換素子」の開発が進められています。

参考: