太陽光発電を検討されている方にとっては買取価格が気になることでしょう。買取価格はどのようにして決められるのでしょうか。
今回は、太陽光発電における買取価格はどのように算出されているかについてご紹介します。

買取価格はいつ、どこで決まる?

買取価格は調達価格等算定委員会で議論され、この委員会や関係省庁の意見を尊重し、経済大臣が定めることとなっています。
前年度の秋から冬にかけて委員会で検討され、「調達価格及び調達期間に関する意見」として取りまとめられます。
ほぼこの内容で翌年度の買取価格が決まり、例年3月末に告示されます。

買取価格に含まれる要素

買取価格は発電にかかる費用を基礎にし、設備利用率、発電事業者の利益等を考慮して算定されます。
10kW未満と10kW以上の太陽光発電のそれぞれの内訳を見ていきます。

10kW未満

システム費用

システム費用として挙げられるものは太陽光パネル、パワーコンディショナー、架台、工事費などで、太陽光発電設備を作る際の初期費用を指します。
出力制御対応機器の設置が求められる地域(北海道・東北・ 北陸・中国・四国・九州・沖縄)は、出力制御対応機器の費用が追加費用として計上されます。

運転維持費

発電を維持するためにかかる費用を指します。
①点検費用
②機器の交換費用
が10kW未満の太陽光発電設備の運転維持費に該当します。

こうした費用は、パネルメーカーや太陽光発電協会へのヒアリング調査や、年報データ(認定を受けた発電設備に義務づけられている設置費用年報)から算出され、設備1kWあたり1年にいくらか(例:3000円/kW/年)という形で算定されます。

設備利用率

実際に発電した電力量の、その期間定格出力で休まず運転したと仮定したときに得られる電力量の比率です。年報データから算出されます。
年間の設備利用率(%)= 実際の年間の発電電力量(kWh) ÷ 定格出力(kW)×365日×24時間 × 100

余剰売電比率

10kW未満の太陽光発電設備は、発電した電気をまずは自家消費し、余った電気を売る「余剰買取」となっています。発電した電気のうち売電した比率を指します。

参考:「平成29年度以降の調達価格等に関する意見」で提示された、10kW未満の買取価格案
平成29年度以降の調達価格及び調達期間についての委員会案 太陽光(10kW未満)

10kW以上

10kW以上でも同じように太陽光発電設備のシステム費用がかかります。

システム費用

太陽光パネル、パワーコンディショナー、架台、工事費など、太陽光発電設備を作る際の初期費用を指します。

土地造成費

10kW以上の太陽光発電設備は、遊休地を利用される場合も多く、 そのままでは設置が難しいケースが多いと思います。
発電設備の設置をするために土地を整備する費用のことを指します。年報データから算出されます。

接続費用

電力系統へ接続(連系)するための費用のことです。
連系のための工事にかかる費用を発電事業者が負担することになっており、その費用は発電する場所や容量などによりまちまちです。

運転維持費

発電を維持するためにかかる費用を指します。
点検や修繕にかかるコストで、機器の交換費用や人件費が含まれます。

設備利用率

実際に発電した電力量の、その期間定格出力で休まず運転したと仮定したときに得られる電力量の比率です。
年報データから算出されます。
年間の設備利用率(%)= 実際の年間の発電電力量(kWh) ÷ 定格出力(kW)×365日×24時間 × 100
パネルコストの低下に伴い、パワコン容量よりも大きなパネルを搭載する「過積載」の増加による設備利用率上昇も見られます。

IRR(税引前)

内部収益率。投資利回りを表すものです。

参考:「平成29年度以降の調達価格等に関する意見」で提示された、10kW以上の買取価格案
平成29年度以降の調達価格及び調達期間についての委員会案 太陽光(10kW以上)

固定価格買取制度での買取は、電気を使う人みんなが負担して行われているものですので、負担を下げるべく買取価格を低減していこうという方向で今後も進みます。
買取価格が下がるということは導入の障壁になっているようにも見えますが、設備にかかる費用や維持費も下がってきていることであり、太陽光発電を始めやすくなっているとも言えるのではないでしょうか。

参考:調達価格等算定委員会 | 経済産業省